工業省が大規模工場に厳しい排出管理を実施
工業省は、「煙突からの排気を報告する特殊機器や設備の設置を工場に要請する工業省告示B.E.2565(2022)」を公布し、煙突から排ガスを出す13業種の大規模工場に連続排出監視システム(CEMS)を設置し、工業省工場局にデータをリンクさせることを求める。
これは、リアルタイムで一日24時間煙突からの排ガスを管理し、モニタリングするもので、2023年6月10 日から実施される。新しく許可を申請する工場は、操業開始前にCEMSの設置を完了していなければならない。すでに許可を取得している既存工場については、2024年6月9日までに設置を完了しなければならない。
タイはすでに2001年に同様の告示を公布しているが、ラヨーン県だけに適用されている。今回の新しい告示は、粉塵公害問題解決の為、ターゲット地域をタイ全土に広げる為に公布された。
CEMSシステム設置が必要となる工場は:

  1. 1機当たり10MW以上の発電量の火力発電所
  2. 毎時30トン以上の蒸気容量を持つボイラー
  3. 燃料燃焼や入熱が毎時100MMBTU以上の工場
  4. 窯やクリンカークーラーの、1日当たりの生産能力が3000トン以上のセメント生産工場(粉塵が除去されたクリンカークーラーの熱風や廃熱を使用するものは除外)
  5. 回収炉や石灰窯の一日当たりの生産能力が50トン以上のパルプ生産工場
  6. 流動接触分解装置(FCCU)、深度接触分解装置(DCCU)、燃料油燃焼装置、硫黄回収装置(SRU)のある、全ての規模の石油精製所
  7. あらゆる種類の熱源の溶鉱炉、あらゆる種類の熱源の高炉、熱源として石油、石炭を使う予熱設備での、生産が一日当たり100トン以上の一次鉄鋼、スチール鋼の精錬、溶解、鋳造、圧延、延伸、を行なう場所
  8. 溶鉱炉や高炉で、生産が一日当たり50トン以上の鉄やスチール以外の一次金属製品の精錬、混合、精製、溶解、鋳造、圧延、延伸、を行なう場所
  9. 高炉の一日当たりの生産能力が10トン以上の鉛精錬所
    10-1. 規模を問わず有害廃棄物焼却炉のある工場
    10-2. 規模を問わず産業廃棄物焼却炉のある工場
    10-3. 一日の最大焼却能力が10トン以上の地域固形廃棄物焼却炉のある工場
    10-4. 一日の最大焼却能力が10トン以上の感染性廃棄物焼却炉のある工場
  10. 一日当たり100トン以上の硫酸生産。硫酸の包装のみを行なう場合は除外。
  11. 電気ブースター及び熱回収システムから生じる熱量は除外し、毎時100MMBTU以上の熱量(熱注入)を利用する溶鉱炉でガラス、ファイバーガラス、ガラス製品を生産する場所
  12. 環境影響評価(EIA)で規定する条件に従い、煙突からの排気を報告する特殊機器や設備、またはCEMSの設置が要求されるその他の工場

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