タイの大量破壊兵器輸出規制 商務省外国貿易局(DFT)は、2020年1月1日に発効した「大量破壊兵器及び関連品目貿易管理法B.E.2562」に準拠する、大量破壊兵器(WMD)関連の商品を規制するキャッチオール規制(CAC)を実施する為の準備を輸出業者に急がせている。この規制は、CACに関する通達(案)が出された直後に施行される。(時期は未定) CACに関する通達(案)では、デュアルユース品目(DUIs)の輸出、再輸出、運搬、積み替え、技術やソフトウェアの転送などの活動を規制する。DUIsとは、民生用及び軍用双方に使用できる製品や、大量破壊兵器の開発や生産ができる製品、平和や安全を脅かす可能性がある大量破壊兵器に関連する製品である。DFTは、その基準に当てはまる輸出を検査する権限を持ち、危険があり管理が必要であると分類されたDUIsの出荷を阻むことができる。 現在、タイのDUI製品は、スポーツ用品の製造に使われるがミサイル部品製造にも使用できるカーボンファイバー、洗剤や石鹸の生産に使用されるがテロで使用される有毒物質を作るためにも使用できるトリエタノールアミン、金属の洗浄や鉱石の抽出に使用できるが化学兵器などの生産にも使用できるシアン化カリウムなどの1,831品目の工業製品を定めた2019年のEUリストを参照している。 従って輸出業者は、製品がDUI製品であるかどうかを税関のHSコードから確認すべきであり、もしDUI製品である場合には、この措置が施行された後は輸出業者はDFTに上記の活動(DUIの輸出、再輸出、運搬、積み替え、技術やソフトウェアの転送など)の許可申請をする準備をしなければならない。
与信期間が中小企業に有利に変更 中小企業(SMEs)が商品やサービスを販売する与信期間に関して、取引競争委員会事務局(OTCC)が発表した新たなガイドラインが2021年6月18日に官報で発布され、2021年12月16日から発効する。そのガイドラインは原則的に、買主との取引における優越的な交渉力の濫用、不公正な扱い、業務妨害に対して保護する仕組みとなる。 用語の定義: 与信期間とは、書面で合意した時間枠であり、買主は、その時間枠で売主が提供する商品及びサービスに関連する支払いを行わなくてはならない。 b) 中小企業とは、 従業員が200人以下または年間売上高が5億バーツ以下である製造業、 従業員が100人以下または年間売上高が3億バーツ以下であるサービス業または商取引業、である。 ガイドラインにおける与信期間:中小企業の売主と各買主との間の妥当な与信期間は、以下の期間を超えてはならない。 商取引、製造及びサービス分野では45日間 農産物や生産工程が複雑でない一次加工農産物の商取引、製造、サービス分野では30日間 与信期間の起算日: 上限の与信期間に設定する為には、その期間は、製品やサービスが納入され、関連書類が提出された日から起算する。委託販売の場合は、両当事者の合意により委託された者が販売を完了した日から起算する。但し、ビジネス、マーケティングや経済的に正当な理由及び支払いまたは与信期間に関する契約上の拘束がある場合、両当事者は与信期間をより長くすることで合意できる。 契約の違反: 以前は、中小企業は、商品またはサービスの購入者が支払いの不履行や、与信期間を延ばす為に自らの優越的交渉力を使うという状況において、民事法廷への契約違反の提訴をすることに限定されていた。今回のガイドラインは中小企業にとって歓迎される変化をもたらし、これからはその様な状況においてはOTCCに申し立てをすることができるようになる。 新しい与信期間は遡及して適用される: この新しい規定は、それより以前から存在している与信期間にも適用されるので、当該ガイドラインは遡及して適用され、既存の契約がガイドラインに反するか中小企業にとって不利益である場合、それを不当であると見なすことができる。購入者と売主の中小企業の両方が12月の実施日までにガイドラインを確実に遵守する為に、現行の契約や保留中の契約を再検討する必要がある。