新しい労働者保護法
労働者保護法(No.7)B.E.2562が2019年4月5日に、政府官報で公布された。その新法は労働者の利益を拡大するもので、2019年5月5日に施行される。新しい労働法による主な変更を以下に要約する。 ;
- 用事休暇(34 条、57/1 条 (新設))
従業員は私用休暇を年3日以上(うち3日は有給)取得する権利を有する。
従前は日数や有給・無給等は定められていなかった。
- 解雇補償金(118 条第1 項第5 号、第6 号 (新設))
20年以上勤務した従業員に直近賃金400日分相当額以上の解雇補償金を支払う。
従前は「勤続10 年以上の従業員に対して直近賃金300 日分相当額以上」となっていた。
- 出産休暇(41 条、59 条)
産休は、週末及び休日を含めて98日取得することができる。この休暇には、妊娠期間中の検診の為に取得する日も含まれる。
従前は、産前・産後合わせて一回の妊娠あたり90 日の出産休暇を取得することができるとされていた。
- 解雇予告手当の支払日(17/1 条(新設))
従前から、使用者は、一給与支払期日前までに解雇予告をしなかった場合でも、本来の解雇効力発生日までの賃金相当額を解雇予告手当として支払うことで、従業員の即時解雇が可能とされていた。今回の法改正では、使用者が、この解雇予告手当を解雇日に支払わなければならない旨が明文化された。
- 使用者変更と従業員同意(13 条)
買収や合併の結果、雇用者または法人が変わった場合、雇用者は従業員から同意を得なければならない。また、従業員の既存の権利および利益は全て、継続されなければならない。
従前は、「新雇用者は、旧雇用者と従業員との間の権利義務関係を承継すること」のみと規定されていた。
- 事業所移転(120 条)
雇用者は、事業の場所を新しい場所または他の既存の場所(支店など)へ移転する時は移転が被雇用者やその家族に影響する時だけに限らず毎回、移転の30日以上前までに従業員に通知しなければならない。従業員が新しい場所で働くことに同意で着ない場合は、雇用契約は雇用者が移転する日に終了するものとみなされる。
従前は、事業の場所を新しい場所または他の既存の場所(支店など)へ移転する時と規定されており、今回「既存の場所(支店など)」への移転についても追加された。
- 遅延損害金の率の改定(9 条)
従前から、賃金、残業代等の支払いが遅れた場合の遅延損害金の率は年15%と規定されていたが、今回の法改正で、解雇予告手当の支払遅延等についても、遅延損害金が年15%と規定された。
- 解雇(70条)
解雇する場合、雇用者は、賃金、時間外労働手当、休日手当、休日時間外手当及び、この法律に基づいて雇用者が支払うべきお金銭を、雇用終了日から3日以内に支払うものとする。今回の改正法では「この法律に基づいて雇用者が支払うべき金銭」が追加された。
- 賃金(53条)
雇用者は、性質、品質、量が同じ仕事又は同じ価値の仕事を同じ様に行う男女共に同じ料率で賃金、時間外労働手当、休日手当、休日時間外手当を支払わなければならない。
今回の改正法では「同じ価値の仕事」が追加され、「性別に関わらず」から「男女共に」と変更された。
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