地域事業統括本部(ROHs)、国際本部(IHQ)、国際貿易センター(ITC)の課税制度を国際ビジネスセンター(IBC)の課税制度に変更
内閣は2018年10月10日、地域事業統括本部(ROH1とROH2)、国際本部(IHQ)及び国際貿易センター(ITC)の課税制度に代わり、新しく国際ビジネスセンター(IBC)の課税制度を導入する勅令案を承認した。この新しい課税制度は、税源浸食と利益移転(BEPS)の包括的な枠組みに準ずるものである。BEPSは、タイが加盟している価格移転防止についての枠組みである。
IBC 税務恩典
税金 | 税優遇策 |
法人所得税
(CIT) |
· ロイヤルティ収入及び、国内外の関連会社から受けたサービスまたは資金管理サービスから発生した収入について、法人所得税率を軽減:
-年間経費が6千万〜3億バーツの場合、法人所得税は8%, -年間経費が3億〜6億バーツの場合、法人所得税は5%, -年間経費が6億バーツを超える場合、法人所得税は3%
· 国内外の関連会社から受領した配当金収入について法人所得税を免除
· IBCから配当金または利子収入を受領した、タイで事業を行っていない海外企業について法人所得税を免除 |
特定事業税
(SBT) |
· 国内外の関連会社から受けた資金管理サービスの提供から発生した収入について特定事業税を免除 |
個人所得税
(PIT) |
· タイで働いている外国人について個人所得税を一律15%に軽減 |
IBC 要件
- その会社は、払込済み資本が1千万バーツ以上でなければならない。
- その会社は、国内年間経費が6千万バーツ以上でなければならない。
- その会社は、少なくとも10名の従業員を雇用しなければならない。(資金サービスの提供だけの場合は、少なくとも5名)
下記に記載された最終申請受付日より前に提出されたROH1、ROH2、IHQ及びITCの課税制度の申請について、この勅令では、当初の承認期間が終了する迄またはIBC体制へ移行しROH、IHQ及びITC課税特権を終了させる迄、その課税制度を利用することを認めるだろう。
課税制度 | 最終申請受付日 | 税優遇策の残存期間 |
ROH1 | 2018年10月10日 | 2020会計年度迄 |
ROH2 | 2015年11月15日 | 10または15会計年度終了迄 |
IHQ | 2018年10月10日 | 15会計年度終了迄 |
ITC | 2018年10月10日 | 15会計年度終了迄 |
上記の課税制度の改定は、法令手続きを行わなくてはならず、まだ効力を発していない。さらに詳細は、勅令が可決されたら追加して発表される。
BOIがスマートビザの新しい条件を提案
内閣は2018年11月6日、下記のように条件を修正した、新しいスマートビザ条件を承認した。:
- 10のS字型カーブ重点産業の他に下記の3つの重点産業を追加:1) 裁判外紛争解決、2) 科学技術の為の人的資源開発、3) 再生可能エネルギーと環境管理
- 全ての国際空港でスマートビザ保持者のために優先サービスを開始
- 最低月給を上級幹部職員(スマート「E」)は20万バーツから10万バーツに、タイ国内で起業した専門家は10万バーツから5万バーツに減額するが、高技能専門家(スマート「T」)の月収は、他の福利厚生を含め最低20万バーツとする。さらにBOIは複数の投資家が共同投資するように、投資家(スマート「T」)の最低投資額を個人投資家一人当たり2千万バーツからに改定した。一方、新規起業は最低投資額5百万バーツが必要である。
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