M&A月報No.111 「国王の手術成功とタクシン首相暗殺未遂事件」
国王の手術は成功であったようで、約二週間の入院後無事に退院された。
多くの国民が黄色のシャツを着て、心よりの喜びを表現していた。
イスラムの女の子達の嬉しそうな写真も掲載されたのが心に留まった。
12日は王妃の誕生日で、土曜日であった為、14日が休日となり、
3連休となった。
夜には花火等も打ち上げられたが、60周年の慶事が余りにも華やかで
あったためか、例年に比べ何となく静かで寂しい感じがした。
日本の方よりは、大型連休の情報に加え、猛暑、洪水、台風等のNEWS
が飛び込んで来るが、例年の事であるが、当地は適当な降雨で涼しく、
過ごし易い日々となっている。
多くの観光客がお越しになっているが、ゴルフに行っても殆ど汗をかかず、
避暑に来たみたいと仰る方々が多い。
湿度の所為であろう。
タクシン首相の暗殺計画があるとのマスコミ報道が為される様になった。
そしたら驚く事に、首相の自宅近くで、爆薬を搭載した車が捕獲された。
逮捕されたのは陸軍の中尉で大将の運転手であった。
友人に頼まれ、数百バーツの謝礼で運転していただけと言う。
出来過ぎた話と思った。
首相一派のやらせとタイ人有識者と話していたら、やはり、批判勢力よりも
同 じコメントが出された。
この大将は本件の為か更迭された。
大将は
『自分は無実であり、何も関与していない。しかし中尉が自分の運転手
である事は認め、更迭は悔しくは無い。但し、首相が事件の事を自分に
何も確認しなかった事は不快だ』
とコメントした。
世論調査では、49.8%がでっち上げと答え、政府の演出としたのは
60.6%、反政府勢力が背後にいるとしたのは僅かに20%であった。
真相は如何に?
首相の警備レベルは国際空港と同じレベルに引き上げられた。
首相の本音は、国王在位60周年行事も見事に成し遂げ、2,000億円もの
私財も出来、今回の総選挙で勝利を収め、惜しまれながら野に下りたいと
いう所であろうと思うが、他の後進国の例を見るに、その後、増収贈賄の
嫌疑等で投獄されている例が多く、この点を一番危惧している為、辞める
に辞められない事態に追い込まれている様に感じる。
2,000億円の一部をタイの慣例に則り寄付すべきであったと、今反省して
いるのではなかろうか。
総選挙は10月15日と発表され、勅令も24日に出されているが、有識者
よりは、未だに中央選挙管理委員会のメンバーも決まっておらず、日程的
に無理とのコメントが多く出るようになっている。
暫定政権では公共事業の進展が大きく抑制されて居り、景気の先行きに
不安もあり、早期に総選挙を実施して貰いたいものと念じている。
鳥インフルエンザで死者が出て、また多くの鶏が処分されたが、当局は、
これより、死者が200人を超えたデング熱の方が更に要注意であると
人々に警鐘を鳴らした。
目下は地方都市での発病であるが、BKKに飛び火せぬ事を念じている。
世界で初の、国が売り出した会員権(THAILAND ELITE CARD)であるが、
この度、懸案であった家族会員権を親と同じ恩典で7,500ドルで売り出した。
中々良く考えたものと思う。
7,500ドルはどうみても安い。
しかし、これを手に入れる為には、親たる会員権を25,000ドルで持っている
必要がある。
リスクはタクシン首相の影響力が無くなった時どうなるかであるが、VISAが
一生貰える、個人の銀行口座を開いてくれる等々より、中国、台湾、比、
インドネシア等の金持ちが購入していると聞く。
またタイには相続税が無い事に目を付けた日本人の購入も進んでいる。
今後の進展に注目してみたい。
以上
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