M&A月報 No.238「天皇・皇后両陛下の御来タイと東部経済回廊構想」
ベトナムご訪問の帰路、天皇、皇后両陛下がタイに立ち寄られ、前国王の弔問を行われた。
新国王にもご面談となり、更なる両国の親交が深められた様子を嬉しく拝見した。
御在位中の海外は、最後のご訪問かと推測しているが、今回は短時間という事はあったかと思うが、
タイ人の要人とのご面会が一切無かった事を大変残念に感じている。
しかしご健康が第一、無事のご帰国を聞き安堵している。
プラユット首相肝いりのEastern Economic Corridor(EEC)東部経済回廊構想に付き、
その説明会が行われた。
これはチョンブリ、ラヨーン、チャチンサオの3県に跨る地域で、EV(電気自動車)、
PHV(ハイブリッド車)、医療、航空、ロボット等の特定産業に付き、
BOIとは別に恩典を与える構想で、インフラを含め、一体的に開発しようとするものである。
バンコクを結ぶ、高速鉄道や技術学校の案もこの構想に含まれている。
更に、これに並行して、IOT技術を駆使した、次世代の都市、スマートシティー構想も計画され、
巨大国家プロジェクトとして、大変な意気込みである。
一方、肝心の予算の方は、官民共同と謳っているが、外資頼みの感もあり、予断を許さない。
既に、タイ航空とエアバスの共同事業が発表されて居り、これを話題として、テークオフしたい考えである。
今後この分野に如何に参画するか、検討して行きたいと考えて居る。
何処の国も同じであるが、財務内容を改善したいプラユット首相は、現在7%のVATを8%に
上げたいとする意向を表明したが、財務大臣の、それでは景気が冷え込み、かえって減収に
なるとの意見に押し切られ、7%で継続される事が決定した様であるが、
何時かは必ず10%に上がる事を覚悟しておいた方が良さそうな問題である。
久々に日経の一面に出た記事に100%の共感を覚えたので紹介したい。
“日本国債”“魔法の杖なんて無い”“不都合な出口と向き合え”“描けぬ出口”これが見出しである。
目下のデフレ脱却策としての財政拡張は、不意打ち的な物価上昇が起こる。
大量の国債を永遠に償却せず、利払いだけする、塩漬け論もある。
もしくは、重力圏より脱出出来るほどの高いインフレを起こす。
日本は世界の実験場。信任が崩れれば,国債/円の暴落、急激な物価上昇が起こる。
英国は100年かけて対策したが、これには政治家/国民の借金返済に関する意識が強かった為である。
前々より述べている様に、タイから見れば日本は反面教師、まさにお手並み拝見の実験場である。
選挙を止め、クーデターを容認して、軍事政権を誕生させ、何としても、財政の悪化を防ごうとしているタイ、
この国を米国と共に非民主国家、制裁を加えると非難した国、
上記の様な問題点をほとんど日本の国会では議論せず、学校の8億円程度を延々と討議する野党、
異国の地で、我が祖国の将来を憂いている。
国会中継を見ていると、麻生財務大臣が、財政問題に関して、
“日本国のバランスシートを考えて欲しい。即ち、金を国に貸しているのが国民、借りて居るのが国、
ほとんどの日本国債を買っているのは日本で、外国依存では無い。
だから現在、外国も安全として買っている程問題が無い国債である。
それは日本にはこれに見合う国民の預金があるからだ。
国は借金を返す時はお札を刷れば良い“
この発言に食いつく質問は無かった。
要は、日本の国民は預金をしている。この預金で国債を買い、これを元手に、
政治家/官僚はバラマキ政治を謳歌していると言う事では無いのであろうか。
麻生大臣は財務省のホームページを見ているのであろうか。
そこには、一般家庭に例えると、年収600万円、支出960万円、ローン残高8,400万円、
支出と収入のアンバランスが著しく、現実には銀行が融資してくれる水準にはないと表付きで記載されている。
だから官僚は、VATを引き上げねばならないと言いたいのであろうが、支出を抑える論議は何処にもない。
サッチャー首相が国会で、弱い老人は死んで頂くしか無い、と答弁した事を何時も思い出している。
国民のお金を銀行経由勝手に引き出し、もしくはそれを当てにして、自分達の権力誇示の為、
バラマイテいると言っているのでは無いかと思うが、これが国会でほぼ質問無しで終わる問題であろうか、
大変疑問に思って居る。
有名な寺院の疑惑について述べて来たが、広大な敷地、建物、トップの僧侶は間違いなく寺院に
居るとされて居るが、未だ当局はその姿を見出せて居ない。この寺院の凄さを感じている。
ソンクランは何時も交通事故が話題となるが、プラユット首相は44条を発動し、
自動車の後部座席の乗客もシートベルトの着用を義務付けた。
違反者は5000バーツの罰金を科せられる様である。
月末になり、やっと待望の降雨と雷が鳴り響いた。
愈々皆が待ち望んでいる、タイの正月、ソンクランが近づいた事を嬉しく感じている。
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