M&A月報 No.237「EEC(東部経済回廊)推進とタマカイ寺騒動」
今少し経済成長を押し上げる施策を求める圧力が、暫定政権には掛かっているが、
今般、ウッタマ工業大臣が、その対策の一つとしての、東部経済回廊に付き所信を述べた。
これから、東部3県にハイテク企業中心の、経済特区や工業団地を整備する構想で、
これにより4兆8000億円の経済効果を生み、現在3%のGDPを2020年までに5%に
押し上げ様とする計画である。
更に、年間10万人の新規雇用を生み出し、1兆円以上の観光収入も見込んでいる。
空港や港の拡張も行い、バンコクを結ぶ高速鉄道も整備し、バイオテクノロジー、
次世代自動車、ロボットと言った高付加価値型の企業の誘致を推し進める構想である。
進出企業には、優遇税制、5年間のビザ、外国通貨での決済を認める等の恩典を与えるとしている。
既に、電気自動車関連に付いては、具体的な交渉に入って居る由である。
今般タイ国のNO1の僧侶、法王として、ワット・ラチャボーピット寺院の
Somdet Phra Maha Muniwong氏(90歳)が任命された。
これは前法王が2013年にお亡くなりとなっており、その後任を、今回新国王が
エメラルド寺院で任命されたものである。
国王が跪き国王の頭がこの高僧の下にある珍しい写真も公表されている。
また多くの国民もこの行事に参加している。
ご高齢ではあるが、温和なご立派な高僧と一般庶民の間でもその評価は高い。
今年は前国王の火葬の儀とか新国王の戴冠式とか重要な行事がある。
これ等を、この高僧が取り仕切られる事と成る。
ご高齢故、健康管理には十分注意頂きたいものである。
以前にも紹介したが、バンコックの北約50KMの所に、
タマカイ寺という有名な寺院がある。
広大な敷地に、多くの建物が建ち、その威容を誇っている。
聞く所によると、この寺院には寄付を多くすればするほど極楽浄土に行けるとする
教えがあるもので、低所得者のみならず、大物政治家や有名な富裕層の人々も
信者となっている事で有名である。
また過去に於いてはタクシン派の支持母体としても認識されていた。
また信仰により難病が治った等の噂もあり、膨大な信者の数を誇っている。
集めた巨額の資金で何を行っているのか全く不明で、ベールに包まれて
いる事でも有名である。
一説には、巨額の資金を最高位の僧侶が個人名義で動かして居るとの噂がある。
プラユット政権は、人気取り政策の一環であろうか、敢えてこの困難な寺院の
内部監査を行う事を決断した様で、警官3600人、軍人900人を含む多数の
捜査員を送り込もうとしているが、寺院側は、僧侶、信者が団結し、
門前でバリケードを張り、身体を呈してこれの阻止に努めている。
当局側は相手が僧侶だけに余り手荒な事が出来ず、膠着しているが、
遂に新聞紙上では、僧侶の怪我人の写真が掲載された。
また外部への通行を遮断している為、煙突に食べ物をくれと書いたのぼりを
掲げている写真も掲載された。
今後の捜査の推移を多くの国民が興味深く注目している。
3月5,6日に両陛下がベトナム訪問後に、前国王ご崩御のお悔やみを
新国王にお伝えすべく、お越しに成る事が決定したと報じられた。
大変喜ばしい事とは思うがご健康が気に掛かる。
TV、新聞等で安倍首相とトランプ大統領の首脳会談の模様が多数報道された。
タイ国の新聞でも大きく取り挙げられたが、どうも観ていると、近隣諸国や
多くの国々の首脳と言葉のやり取りで孤立感の出ているトランプ大統領が、
絶好の好機とばかりに、目下一番の親近感を表明している安倍首相を
最大限のもてなしで歓待し、それを世界中に示し、自分は孤立していない事を
表明した演技であった様に見えて仕方が無かった。
しかし掛かる事が出来た日本の首相は過去にはいなかったように思うし、
相方を務めた安倍首相も立派であったとも思っている。
今後米国は日本の賛同、後押しを得ながら、世界戦略を展開していく様な気がして来た。
理不尽な米国の施策に、今回の接待で、日本はNOと言えるのであろうか。
幸か不幸か、目下米国はタイ国は眼中に無い様に感じるが、今後の対応を注視したい。
日本の新聞に”国の借金1066兆円“過去最高、国債が9割、なる活字が躍った。
一人当たり、840万円!
更に歳出拡大を求める声は強いとしているが、節約の声は全く聞こえて来ない、
こんな国で良いのであろうか。
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