M&A月報 No.234「プミポン国王陛下崩御とワチラロンコン皇太子、ラーマ10代の国王に即位」
例年の通り、お休みを頂き、日本の秋を満喫しようと考えていたが、
心配をしていた事ではあるが、タイ国王ご崩御のNEWSが飛び込んで来た。
多くの国民が哀悼の意を表している映像が数多く日本でも見る事ができ、
如何に国王が皆の信望を集めていたかが良く判る事象であった。
国民は最長一年間は黒い衣類を纏い、哀悼の意を表する事になる。
タイに戻って来ると、クーデターの日でも都心のど真ん中にあるGOLF場では
プレーを楽しんで居たタイ人ではあるが、今回はさずがに閑散としており、
来ている人も全て黒ずくめ、影響の大きさを感じている。
各種調査では、税関/入管/物流/交通等では何も問題無く、平常通りに行われており、
見本市等も予定通り実施されている。
従って、進出企業には何も影響が出ない様であるが、運動会/ゴルフコンペ/PARTY等は
中止の動きとなっている。
弊社も毎年年末に行う社内の忘年会は中止を決定した。
一方、観光客は激減の様子で、HOTEL、レストラン、SPA等は大きな打撃を
当分受けそうな様相である。
また特に広告業界が売り上げが半減するとの予想も報告されている。
一カ月が経過しても、弔問客は絶えず、王宮を訪れた人は既に80万人を
超えたと報告されている。
そこでは、軍/省庁/企業/各種団体等がテントを張り、食事/飲み物/看護/トイレ/
携帯電話の充電/マッサージ等のサービスを無償で提供している。
今後、お祭り/コンサート/娯楽活動等は解禁となるが、節度ある自制は求められている。
タイの法律に則り、プラユット暫定首相が暫定議会の特別会合を招集し、
プミポン国王の後継者として、ご長男のワチラロンコン皇太子(64歳)の王位継承を承認した。
この結果を得て、立法議会の議長が、皇太子殿下に会い、国王への即位を要請、
これが受諾されると、ラーマ10代の国王が誕生する事となった。
皇太子殿下は、四人兄弟の第二子ではあるが、只御一人の長男であり、
王位継承権は第一位であった。
飛行機の操縦をされる事で有名である。
お誕生日は7月28日である。
三度のご結婚歴があり、男子5人、女子2人、計7名のお子がおられる。
戴冠式は一年間の喪が明ける、来年の10月以降に執り行われる予定である。
今回はどちらが勝利しても、過去最低の大統領と言われていた米国の大統領選挙であるが、
ほぼ全てのメディアの予想に反して、トランプ氏が勝利した。
筆者は反クリントンで、表現、言い方には問題を感じるが、賛同出来る内容の多い、
応援して居たトランプ氏の勝利を喜んでいる。
昨今、米国大使の質が著しく低下している様に感じている。
従来、米国の事を“偉大な田舎者”と表現していたが、各国大使よりの情報提供がお粗末なのか、
且つまたワシントンの官僚が体たらくなのか、特に身近な、タイ/比への昨今の対応に
驚きすら感じている。
キッシンジャーが活躍する頃はこんな事では無かったと思っているし、
最近のタイへの米国大使を観察すると、会うべきタイ人とも会っていない様だし、
全く表舞台に出て来ない。
タイ国民の85%が支持した軍事政権発足時に、非民主的と切り捨て、
制裁を加えると二度に亘って米国高官が発言した。
日本も初回には同じ事を発言し、結果、タイは中国の鉄道の採用を決め、海軍も無いのに、
中国の潜水艦三隻を買うと言わしめた。
比に付いては、最大の課題の麻薬撲滅に辣腕を振るったドウテルテ大統領に、
その死者の数より、これまた非民主的と批判した。
結果、比は積極的に中国に接近、多額の支援金を引き出すと同時に、領海問題を棚上げにしてしまった。
これ等は米国の内政干渉と思っているし、余計な事はするな/言うなと言いたい。
オバマ外交はタイに続いて比を失った。
これから具体的に出てくるであろう、トランプ政権の外交であるが、日本はもっと払うか、
自己防衛を強化しろ、この言い分はよく判る気がしている。
TVを見ていると、沖縄市民の間より、今沖縄より米軍が撤退すると沖縄は成り立たなくなると
言う発言が飛び出している。
やっと本音が聞けたとも感じているが、今まではこの種コメントは全てマスコミが
抑え込んでいたとも感じている。
トランプ氏には外務省/大使を一新し、賛同できる外交方針が出てくる事を期待したい。
しかし世の中、こう言った予想に反した結果が出た時の次なる反応が面白いと感じている。
以前には、伊丹空港は、住宅地の真ん中、騒音/危険で出て行け、さればと神戸空港を作ったら、
出られては困ると残留。
トランプ氏、払わねば米軍は撤退と言う、では何故日本政府は自己防衛力を強化しようとは言わぬのか。
これで沖縄も解放されるのではないか。
オバマ大統領に言われ必死に纏めたTPP、反対者もかなりいたと感じているのに、
トランプ氏がTPPは廃案と言うと、日本の景気がおかしくなると大騒ぎ、
もっと喜ぶ人々の声があっても良いのではないか。
米国抜きでもTPPはやるのかの審議はどうまとまるのであろうか。
円安に向かったらまた大騒ぎ。円安賛成が多かったのではないか。
マスコミの報道が、その時々の片方のみを報道し、対抗する意見は報道しない姿勢を感じている。
何時も繰り返し述べているが、タイで赤組と黄色組が激突した時、塀ひとつ隣のGOLF場では
タイ人がGOLFを楽しんでいた。
しかし、闘争は報道してもGOLFは全く報道しなかった。
今回の米国/日本のマスコミの報道姿勢には大きな違和感を感じている。
プラユット首相は、勝った方に祝辞を述べる、タイは自己の政策を粛々と遂行すると
冷静なコメントを述べるに留めた。
お手並み拝見であろうか。
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