M&A月報 No.223「国王誕生日とBIKE FOR DAD とAEC発足」
国王が88歳の誕生日を目出度く迎えられた。
各地で種々の祝賀行事が盛大に行なわれた。
以前は、国王はTVに御出になり、原稿も無く、長い時は、二時間ほど、延々と国民に話しかけられ、
その内容が素晴らしい事に、大いに感銘を受けたものであるが、残念乍ら、
今年は、体調が宜しく無いのか、人々の前にお出ましも無く、演説も無かった。
国王がお元気なお姿で御出ましとなり、皆に話かけられるお姿をぜひまた拝見したいと念じ、
国王の長寿をお祈りしたい。
8月には王妃様のお誕生日を祝福し、“BIKE FOR MAM”と銘打って、バンコク市内を自転車で走行する
イベントが開催され、大好評であった事を受け、今回は王様の誕生日祝賀行事として
”BIKE FOR DAD”として挙行された。
バンコクにこれだけのバイクがあるのかと思われるぐらい多数が集結し、当局の発表では、
バンコクでは10万、その他都市、並びに世界各国で(含む日本)19万、計29万もの人々が参加した。
バンコクでは都心部の交通を、12時から閉鎖、参加者は王宮近くのスタート地点に参集、3時半頃に、
皇太子殿下を先頭とするAグループ約500名がが出発した。
続いて、B、C グループが同じ規模で、各々王女様が先頭でスターとした。
途中三か所で休憩をしながら、29キロを走破、A グループは夕刻7時頃に出発点に戻って来た。
各国の大使も参加し、催しに花を添えていた。
意外な事に、行われたのは12月11日の平日で、国家公務員は祭日扱い、学校も休校、
多くの都心企業は休業状況となった。
沿道には、無論多数の市民が歓声を上げ、祝福したが、50mおきには警官が配置され、
厳重な警戒も行われていた。
首相、閣僚も健脚で、全ての人々が走破した事には驚かされる。
特に、皇太子殿下、王女様のリーダーシップが光る催しであった。
今後毎年、この行事が定着しそうなムードである。
国境問題で一時は戦火を交えた隣国カンボジアであるが、12年振りに、フン・セン首相がタイ訪問を行った。
プラユット首相と硬い握手を交わす映像が公開され、両国の関係改善をアッピールした。
12月31日のAEC発足に先立ち、二国間貿易の拡大や2016年末までに両国の首都を結ぶ鉄道の
運行開始で合意した。
鉄道が再会されれば、40年振りの事となる。
そのAECが愈々スタートする。
加盟10カ国で構成され、人口は6億2000万人となる一大市場の出現である。
タイ進出済の企業の中には、タイの人件費等の高騰に対処する為、周辺国への分業体制を模索する動きが出て来た。
この動きに、同調する為、ロジスティック関連の企業の動きも活発化している。
しかし、関税が撤廃されても、現在は車両条件が異なる為、国境での荷物の積み替え等が必要となっており、
この様な点の改善が急務となって来ている。
各国よりのコメントが掲載された。
タイ:地域が上手く結びつくよう全力で行動する。
カンボジア:仲間入りにチャレンジする。
インドネシア:特に中小企業のレベルアップに注力する。
ラオス:準備開始。
マレーシア:AECにインパクトを与える為には、中小企業の底上げが急務。
ミヤンマー:AECはミヤンマーに希望をもたらす。
フィリピン:チャレンジする機会の到来。
シンガポール:利益を期待できるのは更なる将来。
ベトナム:大企業には恩恵があるが、中小には更に先の事となる。
ブルネイ:オイル依存寄りの脱却に注力。
日本は如何様に取り組んで行くのか知りたい所であるが、余りコメントは出ていない様に感じている。
日本は相談役になり、必要技術は提供すると言い、リーダーシップを取って欲しいと念じている。
地政学的に、また昨今の変貌ぶりからすると、AECの首都はバンコクになる様に感じている。
生産拠点は各々の国に散らばって行き、ロジスティックのインフラが急速に改善され、
観光事業も花開くとも思っている。
10カ国を纏めて行くリーダーを2017年中旬にタイは総選挙で選びうる状況になるのか見守って行きたい。
過熱化した4Gの1800メガ帯の携帯電話の権利落札に付き述べたが、今般同じく4Gの900メガ帯の落札が行われた。
前回にも増して、過熱化し、5日間に亘り、199回もの入札が繰り返された。
結果、AIS/DTACが降り、TRUE(3位)/ジャスミン(JAS)がそれぞれ、762億9800万バーツで落札した。
JASは今年8月に新規参入したばかりで、AIS(4300万件)、DTAC(2500万件)、TRUE(2000万件)に比し、
契約件数が極端に低く、763億バーツもの投資に耐えうるのか懸念の声が上がっている。
1800メガ帯はAIS/TRUE、900メガ帯はTRUE/JAS、その結果、両方で落札出来なかったDTACの先行きに懸念が集まり、
逆に両方を抑えたTRUEの人気が上昇しそうな雰囲気である。
昨年は軍事政権下で、国の借金をこれ以上増やさぬ方針で臨んだ為、景気は減速、それを是とした為、
体力の無い所は、撤退の止む無きに追い込まれた所も出始め、重い空気も漂ってはいますが、
一方に於いて、社員の定着率は改善し、給与増のプレッシャーも少なく、経営陣には安堵の空気も漂っています。
今年もこの様な展開が続くと予測しております。
昨年も駄文に一年間お付き合い下さり誠にありがとうございました。
皆様に於かれましては、良い新年をお迎えになられたことと存じます。
本年もまた宜しくお付き合いの程お願い申し上げます。
Comments are closed