M&A月報 No.187 国王陛下と王妃ご退院と恩赦法案で大荒れの国会開幕

お誕生日を間近に控え、乍ら、ご様子の報道が無い事を案じていた
王妃様であるが、国王と同日に病院を退院され、ホアヒンの
KLAI KANGWON宮殿に向かわられるお姿が新聞他で報道された。


国王は4年ぶりのご退院と成る。
ごゆっくりと空気の良いホアヒンでご静養される事を念じている。

他方、今月はシリキット王妃様の81歳の誕生日であり、その日は、
母の日として祝日となっている。
例年であると、お姿を拝見する事が出来、国民一同でお祝いをする所であるが、
今年は残念ながら、お姿を拝見する場面は無かった。
一日も早く、お元気なお姿を国民の前にお出ましになる事を念じている。
インラック政権発足より2年が経過したが、この間、大洪水以外

余り大きな話題は無く、平穏な日々となっていた。

ここに来て、与党は懸案であるタクシン氏の帰国を果たすべく、
3回目となるが“恩赦法案”を国会に提出、審議入りをしようとし出した。
これは7年前のクーデター以降の政治犯を全て放免し、
国民和解を図ろうとする意図のものである。
総論では、大変結構なものであるが、裏に存在するのが、
タクシン氏も無罪に持ち込もうとする意図が明白な所が問題視され、
タクシン氏の帰国に反対する人々の反対集会が大規模に起こり出した。

農村票獲得の為、米を高価で買い上げる施策を展開して来たが、
これが処理出来ず、財政面でも大きな懸案材料となって来たし、
車の購入に助成金を出したが、これも反動が表れ、且つ交通渋滞が
悪化した事等での不満も募り出し、黄組、白仮面、都市部の中間層等を
中心に、反政府運動の機運が高まり出した。

20日、国会はこの憲法改正案の審議を開始しようとしたが、
野党が大反対を唱え、議場は大混乱、多数の国会警察官が
沈静に努める状況が報道された。
予想通り初日より大荒れの国会となった。

日本の観光局が7月の訪日タイ人の数が、前年同月比で84.7%の増と
なったと発表した。
やはりこれは15日間の滞在はビザ不要にした政策が効を奏したと思う。

筆者は当初よりアベノミクスに大きな疑問符を付けてきた。
今以上に国の借金を子孫に残すのか。
通貨は国の力を示すのではないか。円安を何故喜ぶ。
真っ先にやるべき事は歳出の削減。
何も起こっていない。
官僚は自己の分野の予算増のみに傾注している。
相続税/贈与税の撤廃。
企業が日本に投資した時の免税の恩典、これ等を導入し、
日本での投資拡大、起業を促し、雇用の増を計る。
これが基本ではないかと思っている。

今般、独連銀の月報の中で、特集を組み、
“アベノミクスは藁に付いた火”と表現した。
これは短期間で消え去るとの意味である。
理由は景気刺激策が、将来の需要を先取りしているだけで、
これが終了する2014年4月には消費税増税が重なり、
マイナス効果が増幅、労組が弱く賃上げも進まぬであろう。
もっとも重要なのは成長戦略だが、発表されたものは、
非常に曖昧で、失望を誘ったと結んだ。
全く同感である。

今またかなりの分野において、高所得者には大きな負担を求める等の
案が出ているが、それが例えば年収900万円とすると、
何を持って評価するのか、どうして違反者を取り締まるのか等で
多くの国家公務員が動員される様に感じるのであるが、
このコストは幾らになるのかは全く議論されない所に、
お役所仕事を感じる。

これでは、歳出の削減、小さな政府、官僚/国家公務員削減等の
方向に逆行するものと感じている。

未だに続く日系企業のアセアンへの進出、自己の命を掛けて
経営している経営者よりすると、これが生き残りを掛けた道と
感じられているのだと思う。

雀の涙と思うが、消費税も上げねば国債が問題となろう。
TPPも参加せねば、国防が問題となろう。
大きな曲がり角に立たされているのに、参院選挙の
投票率52%を憂いている。

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