M&A月報 No.180号 国王陛下のお元気なお姿と安倍首相の来タイ記

元旦の新聞の第一面に、国王がお元気なお姿で、愛犬二匹を従えた
お写真が嬉しく掲載された。
カジュアルなお姿で、大変お元気そうなご様子を拝見でき、国民一同も、
さぞや喜んだ事と推察している。

短いがコメントも述べられた。

昨年12月の誕生日の時と略同じと感じたが、やはり、赤:黄の事を
一番懸念されているのか、国民はお互いに思いやりを持つ事、
お互いに助け合うことを強調され、これが行われれば、国家は一丸となり、
安定が確保され、繁栄は約束されたものになろうと結ばれた。
また数多くの人々が誕生日に参列し、祝ってくれた事に謝意を述べられた。

洪水対策やバラマキ政策の関連より、国税当局には歳入のアップを計る様、
政府関係者より強い圧力が掛かっているが、その反動で、
当局はBOI(投資委員会)に対し、失業率も1%を切る状況で、
進出各社が人材確保の困難性を訴えている状況下、
新規参入企業に法人税免除の恩典を与えている事は問題であると、
公の場所で善処を訴えていた。

周辺国よりも、既にタイは先進国の仲間入りを果たしたと公言しているのに、
未だにBOIによる誘致奨励策は承服しかねると、意義の申し立ても
頻繁に起こっていた。

これら圧力より、BOIも重い腰を起こし、今般セミナーを開催し、
投資促進権の付与を約100業種に絞り込む等の対応策を発表した。
今回の特徴は、税制面の恩典をタイの国益に繋がると考えている、
医療/製鉄/自動車関連/半導体/バイオ/インフラ・物流/代替エネルギー/
研究開発/食品/観光/福祉・映画/航空・船舶等に限定していく意向である。

オバマ大統領に負けじと、安倍首相が来タイされた。
今回は長期政権となると見ているのか、野田首相の時とは違い、
マスコミは大きく取り上げた。

父、安倍晋太郎氏も度々訪タイし、植樹等を行い、教育に大きな貢献を
果たした事も大きく報道された。
今回は長期政権になると見ている様である。

インラック首相に伴われ、国王とのご面談も果たされた。
安倍首相よりは高速鉄道の売込みを図りたい様な提案がされたが、
タイ側よりは、ミヤンマーで取り組むDAWEI深海港プロジェクトに、
日本の支援を要請した様である。

風刺マンガの方では、安倍首相が、日-タイ両国が広範囲に亘る分野で
協調関係を築きたいと表明した事を受け、インラック首相が、
10万トンのタイ政府が高価で買い上げている古米を買ってくれませんかと持ちかけ、
安倍首相が返答に窮しているものが掲載された。

タイの本音は、農民票獲得の為、米の高価買取策を導入した事による、
山と積み上がった在庫を何とか引き取って欲しといった点では無かったかと思う。

日本同様、バンコク知事が辞任した事により、知事選が3月3日に
実施される事になり、18名の候補者が名乗りを上げた。
しかしながら、バンコクでは圧倒的な強さを誇って来た民主党のスクンパン氏と、
現与党タイ貢献党が推すポンサパット氏の二人による一騎打ちと見られている。

現在の予測では、スクンパン氏が17万票ほどリードしていると言われているが、
タイ貢献党は国会議員、地方議員、有力政治家を総動員し、インラック首相も
度々応援に駆けつけ、何とかバンコクの知事を与党として取り戻そうと
懸命に奔走しており、終盤に掛け激戦の様相を呈して来ている。
年末年始の交通事故については毎年話題となるが、今年は交通事故数が
3,176件で、対前年では83件増加、死亡は365人で29人増と
芳しくない結果となった。
バイクによる事故が8割強で、原因の40%が飲酒、20%がスピードの出し過ぎであった。

尖閣諸島問題で日中関係がおかしくなり、それが漁夫の利として、
タイへの中国よりの観光客数が増加した。
2012年は2,200万人の観光客がタイを訪れ、これは対前年比16%のアップであり、
当初予測の7~8%を大きく上回り、ゴールデン・イヤーとなった。
国別に最も多かったのは中国で250万人、日本は100万人で3位グループであった。

今年、人々が一番懸念している事項は、憲法改正で、35%もの人々がこの点を指摘した。
人々の心の中にはやはりタクシン問題が一番大きく存在している事が良く判った。
失業率略ゼロのありがたい状況を、ぜひ、騒動で揺るがさないで欲しいという
一年になりそうである。

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