M&A月報No.152 「プミポン国王陛下のお言葉“希望”“平和”“融和” 」

嬉しい事に、年初を迎えるに当たって、国王がTVの前にお元気な姿を
お見せ下さり、国民にメッセージを述べられた。
骨子は“希望”“平和”“融和”であった。
人々は自分の出来る事、自分の社会における役割を熟慮し、
最善を勤めて欲しい。


社会の為に各人が尽くす事を最も考えて欲しい。
社会が良くなれば、それは長続きするし、人々の幸せに結び付くものであるし、
それによって国は繁栄するのである。

多くの人々が自分の健康を案じてくれた事に謝意を述べられ、庭の椅子に
お座りになり、二匹の愛犬に囲まれたお写真を、自分より国民への
カードとして発表された。
未だに国民が二派に分裂し、いがみ合っている事に大いなる憂慮を
またお示しになったものと感じている。

アピシット首相が5人の閣僚の改造を行い、その承認式の為、国王の前に
整列した。
国王よりは、あなた方の行いが正直である事が国並びにあなた方自身に
とって大変重要な事であると述べられ、更に自己の発言に付いては、
必ず責任を持ってそれを遵守しろと訓示をされた。

もしこれを行わないと、その非難は政府全体に及ぶであろうし、守れれば、
国全体が繁栄し、平和な国家となろうと述べられた。
言葉を返せば、今の閣僚の中には、不正直なものがいる。
いい加減な発言で世の中を渡ろうとする輩もいる。
それは全て政府に降り懸かって来る。
それでは国の繁栄も平和も覚束ない。
何か、今の、何処かの国に当てはまりそうな訓示ではないかと感じた。

鳩山首相の発言をTV、新聞報道で知った。
たまたまインドに行き、何に感激したのか国会でガンジー氏の言葉を引用した。

“労働なき富は大罪である。”

汗もかかずに母親より知らぬ間に貰った巨額の金は、大罪にならぬのかと
お聞きしたい。
また人の命を守る、大切にする。
これは判らぬでも無い。

しかしそれ以前に、人は自己の命を守る為に働くべきではないのか。
働けるのに、働く気の無い人の命を税金で賄う事には反対である。
農業、漁業、林業、介護等、労働力を求めている分野は多いのではないのか。
失業者を労働に付かせる施策こそが重要ではないのかと思う。
何事も秘書の責任とする昨今の日本、上記タイ国王のお言葉を
聞かせたいものである。

病院でご静養中の国王が、新任の裁判官を前に10分間のスピーチを
お元気に行われた。

勇気を持って、任期の最終日まで手際よく法律に則って職を全うせよ。
あなた方は自己の義務を厳正な中立を保って、且つ公正並びに
現実を直視し遂行せよ。

そして裁判官は業務を遂行する前に自己の約束を守る事に心掛けよ。
さすれば国は問題なく発展するであろう。
裁きとは、あたな達が判断を下す前に、何が正しく、又何が正しく無いかを
知る事である。

しかしこれは容易な事ではない。
何故なら、人々の中には、自分の考えがあり、また願望もある。
あなた方はいつも中間に位置しなければならない。

あなた方の決定により多くの非難を受ける事もあろう。
何故ならば、判決は万人を満足させる事が無いからである。
しかし大切な事は、あなた方の判断が中立で正しい事である。
もしこの事を守れば、あなた方は職務を全うした事になる。
もし守られなければ、祖国を敵の手に渡したと同等の事になる。
そして集中非難を浴び、醜い姿を晒す事になろう。

正しく、公平に判断を下していれば、それは職務を全うして
いる事である。
正しい判断を勇気を持って決断せよ。
勇気を持たねば、その判断は無視されるものとなろう。

国の価値を高め、平和を継承する為、死する日まで職務を
全うする覚悟で望めと締めくくられた。

2月26日は注目のタクシン元首相の資産の没収か否かの判決が
下る見込みの日である。
最高裁の裁判官は勇気を持って、且つ公平に、過半数の国民が
正しいと思う判断を下せ。
これが出来なければ、平和は乱れ、国は滅び行くと言っておられる様に
感じられた。

鳩山首相の年頭の演説をTVで拝聴した。
こちらの方は、原稿を棒読みしない妥当な演説と感じた。
一方、その後の記者の質問には大いなる失望を驚きを持って聞いた。

以前、サッチャー首相は同じ様な局面で、

“私は本日の演説に先立ち、多くの時間を費やし、周到なる準備をして来た。
今の記者の質問は、この場で思い付いた様な、何も勉強をして来たとは
思えない愚問である。その様な質問にお答えする気持ちにはなれない“

と、こっ酷くこけ下ろし、会場の喝采を受けた局面を思い出した。
鳩山首相もそれぐらいの厳しさで望んでも良いのではないかと感じる、
昨今の日本の記者団の質問内容であると感じたが、如何なものであろうか。

日の丸を掲げ世界を飛び回っているJALが会社更生法を申請した。
50年前には、JALのエリート社員を羨望の目で眺めていた事を思い出す。
当地の新聞もJAL倒産の見出しで、大きく取り上げた。

今後の対応は企業再生支援機構が担当するとの事であり、
その方針の様なものが新聞で報道された。
引き続きJALが運行可能である事が大前提となっている。
従って、各種の支払いが優先される事は理解出来るが、株が100%減資により、
紙屑同然になると見られているのに、マイレージ、株主優待券が保護対象と
言われている点が良く理解出来ない。

また本来ならゼロになっても致し方の無い、企業年金が現役社員は53%、
OBは30%の引き下げ基準で踏襲されるとの事、この数字が何の根拠より
出て来たものかもさっぱり分からぬ。

この方針に40万人ともいわれる株主の意見聴取が行われていない様に思うし、
株主よりの発言が一言も出ない事に大変な疑問を感じている。
前原大臣は”本来なら清算だが”と述べているが、では何故清算はしないのかの
説明が無い様に感じる。

株はゼロにしてもJALは存続させる。
そんな必要性はあるのであろうか???
日本という社名が付いているからであろうか???
米国の航空業界を見ているとそんな事は全く感じられない。

再生支援機構は、不採算路線、給与、年金、人員、諸経費等々の削減、
見直しを行い、JALをスリムな美人に変身させ、この新JALの株の
購入者を見つけ、最も高値で買って貰う努力をすべきものと思うのだが、
如何なものであろうか。

米国の航空会社が資金提供に興味を見せているというのに、
株が紙屑になるという論理がどうにも理解出来ない。
そこまで無価値になっているのであれば、清算されるべきとも思うが
如何なのであろうか。

国王がカップを寄贈され、ロイヤル・トロフィーと銘うたれた
アジア対ヨーロッパの選抜チームによるゴルフの対抗戦が4年前より
タイで開催されている。

しかし、昨年の経済不況により、スポンサーが相次いで撤退、開催が
危ぶまれたが、何とかぎりぎりで間に合い、開催に漕ぎ着けた。
アジアはタイ、インド、中国、日本より各2名づつ参加の8選手で
欧州はスエーデン、英国、スペインよりの8名であった。

参加選手の中での目玉は、何と言っても、昨年最年少で日本の賞金王に
なった石川 遼選手である。

競技3日間の前に、前夜祭、プロアマの競技が行われたが、石川選手の
周りは、強面の屈強な日本人ガードマンに囲まれてしまい、何人も
寄せ付けない、異様な雰囲気の中で行われたとの事で、多くの関係者より
不満の声が聞こえて来た。

最終日、石川選手は大不調で早々と敗退、しかし、試合は白熱、最終2選手
の最終ホールまでもつれる展開となった。

キャプテンは無論、選手団はこの2選手の激戦に声援を送る為集まって来た。
しかし、そこに石川選手のみその姿が無い。

TVのアナウンサーと解説者は再三に亘って、彼の不在の異様性に付き言及、
皮肉交じりに、本日の不出来を恥、練習場でボールを打っているのであろうと
解説した。

恐らく、彼はクラブハウスで一人寂しくTVを見、皮肉な解説を寂しく聞いて
いたものと思う。

お互い言葉の不自由はあるものの、抱き合い、祝福し合い、交流しているのに、
最大の目玉商品をそこには出させぬ彼を取り巻くマネジメントに大きな失望と
懸念を感じる出来事であった。

折角出て来た希望の明るい星も、この様な対応ではとても世界で通用する
選手にはなれぬと感じた。

今回の彼の絶不調は全く節度を心得ぬ観客と、この取り巻きが原因と感じた。
孤独で独りよがりな王様にする事では、世界では受け入れて貰えず、
ましてや勝利する事等は及びもつかぬ事と関係者や観客は理解すべきと
言いたいし、昨今の日本に同じ様な事を感じるロイヤル・トロフィーであった。

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