M&A月報No.124 「安倍首相辞任とタイ暫定政権下における景気動向」
月半ば、今月は動きの少ない月だなと思っていたら、突然の安倍首相辞任の
ニュース、唖然とする以外には無い。
種々の理由があるのであろうが、その一つがテロ特措法の延長が困難視され
てきた為と報道されている。
一方、海外において限られた情報源でこの問題を考える時、国際貢献の重要性
は十分認識出来るものの、インド洋上での給油活動のみが唯一であり、その他
での貢献策が全く無いという論理が良く判らない。
これは日本にしか出来ない事なのであろうか。
辞任により継続は困難視されている。他国で出来る所は皆無なのであろうか。
この点の説明が全く無い様に思うし、良く判らない点である。
ブッシュ大統領の演説を聞いても、給油活動“等”との言い方に聞こえ、これに
拘っている様には感じられない。
またまた大臣の交代、喜んでいるのは印刷業界であろうか。
当地の新聞では、三面に小さく報道されたのみである。
日本の政治の動向は、小さな影響を与えるのみと見られているのではなかろうか。
世界中に金をばら撒きながら、自動車メーカーの社長交代のニュースの方が
大きく取り上げられる国はタイだけなのであろうか。
余りにも無責任な辞任劇と感じたし、世界における日本の生育度が低く見られる
事象にならねば良いがと感じる。
福田氏が首相に就任した。
しかし、また当地新聞では三面に小さく取り上げられただけである。
ミヤンマーにおける僧侶をリーダーとするデモの方は一面である。
考えさせられる事象である。
福田、麻生両氏の政策を聞いていても、目下の日本は財政の危機、なのに
歳出削減の具体策が何も出てこないのはどうしてであろうか。
官僚の多さ、バラマキ、天下り、更には海外でのバラマキ、無駄な海外での
官僚の天下り先の確保等々、これが俎上に上がらぬのが不満である。
NHKの討論会では、何方かがこの点を発言しているのに、司会者は話題の
先を変えてしまった。
日本では話題にしてはいけない事なのであろうか。
増税論議の前に、歳出削減の話をして貰いたいと感じている。
最大の観光地、プーケットにおいて飛行機事故が発生した。
強風、雨の中の着陸に失敗した様である。
130人中89名が死亡との痛ましい事故である。
再発しない事を念じたい。
暫定政府下での景気の推移は如何かとの質問を良く受けるが、予算の執行も
順調に行われており、インフレ率も低水準(2から2.5%)、低金利、公務員
給与の引き上げによる消費促進等よりGDPは4から4.5%の水準に据え
置かれている。
民間投資もまずまずで、貿易黒字も維持、総じて経済は順調に推移していると
思われる。懸案事項としては、国王の健康問題、年末の総選挙の円滑な実施、
安定政権の発足であろう。
クーデターを指揮したソンティ陸軍司令官の任期き切れで、後任はアヌポン
補佐官が昇格する事が発表された。
今後はソンティ氏の政界入りが注目される事になる。
大変珍しい事だが、バンコクの繁華街に在る、旧いホテルで火災が発生した。
改装中のレストラン部分よりの出火らしい。
日本人の主に観光客が良く利用するホテルだけに、邦人の安否が気遣われたが、
十数名の負傷、内邦人3名の負傷程度で納まった。
しかし、スプリンクラーや火災警報装置の設備が無かった事が発覚、特に欧州の
観光客より強いクレームが出された。
タイでは、未だ、便利な場所にあっても旧いホテルは避けるべきとの教訓でも
あるかの様に、とても残念に思う事件であった。
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