M&A月報No.84 「バラモン教“始耕祭”とリバプール買収騒動」
今年も古式豊かなバラモン教による、“始耕祭”の儀式が行われた。皇太子も出席し、広場に特設された畑で、2頭の牛が鋤を引き、その後ろで女性が種を蒔く。その後、牛に、米、酒、草、豆、トウモロコシ等、7種類の餌が与えられ、何を牛が最初に食べるかによって、その年の収穫を占うのである。
今年は草とトウモロコシを牛は食べた。
トウモロコシは稲作や農作物には恵まれる事を意味し、草が選ばれた事により、降雨量は例年より多く、高地は豊作とのお告げとなった。しかし低地は被害を受けるかも知れぬとのお告げである。愈々待望の雨季の始まりでもある。
迅速なる行動をモットーとするタクシン首相は、再度、南部訪問を行い、住民と面談すると共に、襲撃されたモスクの検証を行った。貧困対策、失業問題、教育への支援等が問題解決の有効な手段と談話を発表した。
また、在タイのイスラム教国、12カ国の大使を南部地域に招待し、問題解決への提言を依頼した。タイとイスラム教国家間は関係を深め、交流を深める為の事業を推進すべきとの提言も得たようである。
南部で問題発生の最中、タクシン首相は、何と英国サッカー界の名門、リバプールの株30%を約110億円で買収かと報道された。これによりタクシン氏はリバプール製品のアジア全域での販売権を取得、更にリバプールはタイにサッカー学校を設立し、タイのプロリーグを援助する事になるらしいとの論評であった。
成金が世界の富豪と認められようと、画策しているとも受け取られた。
現役のその国のTOPが、国内で銃撃戦まで行われている非常事態の最中に、110億円もの私財を投入してスポーツ・チームの経営参加を行う等、あり得る話であろうか。今、小泉首相が同様の事を行えば、如何なる反響が日本では起こるのであろうか。国王は苦々しく思っているかも知れない。独裁者の行き過ぎが気になる等々と考えていた。
交渉の現場をTV中継したが、これが官邸からであった為、早速、NGOが公私混同と噛み付いた。傍らで、副商業相が交渉を支援した為、税金で給与を貰いながら、何たる事とこちらも噛み付かれた。そしたら更に驚いた事に、”これはタイ国民の為にもなるので公金投入も検討中でタクシン個人では無い”と発表された。
まだまだ地方の貧困問題を多く抱えながら何たる暴挙と思ったら、やはり各方面より噛み付かれた。また、英国の富豪で、生涯リバプールの後援者を任じる御仁が、タイの成金に買われてはなるものかと、120億円での買収を名乗り出た。そしたら今度は、宝くじを新設して、その一部で株を取得する事を認可する閣議決定が発表された。観光・スポーツ省がタイ・スポーツ公社を作り、新しい宝くじを発行する。これにより100億バーツの資金を調達する。
1,000バーツの宝くじを購入すると200バーツ相当の株の保有者となるといった所がからくりである。株主に成ってどんなメリットが有るのかは不明。
人々は買うのであろうか。100億の内、50億は株の購入に、残り50億は宝くじの賞金に回すという試みである。
早速、40歳前後のエリート達に、反対意見を言うだろうと思い質問してみた。驚く事に、“非常に良いアイディアである。賛成だ。自分は宝くじを買う”と、予想外の反応であった。
タクシンは素晴らしいアイディアを次々と出す。高給で優秀なブレーンを多く抱えている。彼等は周到に用意し、検討している。タクシンの問題は、これに関連し、一族が儲かる仕組みとする事だ。
即ち、地下鉄を導入した。数週間前に息子が広告会社を設立した。何とこの新会社が地下鉄内の全ての広告の実施件を入手した。リバプールの件も、リバプールグッズの販売権は息子の会社、リバプールサッカーアカデミーは娘の会社等になるのではないかというのが彼等の不満、懸念である。考えたものである。
最終的には購入株の60%は政府が保有、残り40%を民間人に割り振るアイディアである。こんな事が許されて良いのであろうか。
政治が遊びか博打に突入した感を持ち危惧を覚える。
有識者よりは本件は違憲の可能性もあるし、博打奨励策とも取れると問題提起された。目下はリバプールの結論待ちであるが、賛否両論、結末に注目してみたいが、話題提供の多い首相である。
THAILAND ELITE CARDに付いての、その後の続報であるが、ドンムアン国際空港往復に付き述べてみたい。
出発の便名を連絡すると、それに間に合う時間にホテルとか自宅に出迎えに来る。車は有名なベンツである。空港の車寄せに近づくと、制服を着た男性1名と女性2名が飛び出して来る。荷物は彼らがカートに積み、チェックインカウンターに運んでくれる。TICKETとPASSPORTを渡しておけば全ては完了。出国の手続きも別の所で行われ、行列に並ぶ必要は無い。女性がFIRST CLASSのラウンジまで案内して終わりとなる。
一方、帰国時は同じく便名を連絡しておくと、2名の女性が飛行機を降りたタラップの所で待ち受けている。彼女達にPASSPORT、入国書類、荷物の引換券を渡すと、長い列の入国審査を横目に、専用の出口よりVIP ROOMに案内される。程なく呼びに来る。
下に降りると荷物を積んだカートが待っており、それを女性が押して税関吏のCHECKを受ける事無く、団体の出口の方に案内される。そこにはベンツが待っている。そして帰宅。これは快適なサービスである。日本人には余り売れない様なので、好調な中国人向けに注力するとの新聞記事も出た。何故中国人なのか不思議な気がする。
あるGOLF場を予約しようとした。6日以上前でないと受け付けぬと言う。こんな取り決めがある事等は、何処にも記載されてない様な所が、未だに問題点である。また友人を誘った場合、メンバーゲストにならぬ点も問題として感じる。
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