新型コロナウィルスの影響により源泉税率が引き下げられてから数ヶ月が経ちました。各種源泉税の中でもサービス料の支払いによって生じる源泉税は納付の頻度が高いものの1つかと思います。今回のブログではサービス料に係る源泉税率変更の際によく頂いた質問について書かせていただきます。
2020年3月30日に新型コロナウィルスによる経済的な影響の救済策が発表がされ、上記の源泉税率が2020年4月1日から9月30日までの期間、通常の3%から1.5%に引き下げられました。
2020年10月1日から2021年12月31日までの期間については、新しいオンライン申告システム(E-Withholding Tax system)を通じて申告を行う場合に限り2%の税率が課せられます。それ以外の申告方法では通常どおり3%となります。(新システムの詳細については近いうちに別のブログで説明させて頂きます)
※2020年6月時点での情報となります
税率の引下げは急な発表となったため4月の請求書に記載されている源泉税率が3%のままとなっていることが多かったかと思います。
発表後に「請求書に3%と記載されていたので3%を差引いて支払いをしてしまったがどうすれば良い?」という質問をよく頂きました。
結論から言えば、支払い元と支払い先の間で合意があれば支払いから3%の源泉税を差引いたとしても翌月に3%を申告すれば問題はないです。
その場合、税務署には1.5%分多くの税金を納めることになりますが、税務署から返金されることも修正申告を求められることもありません。
しかし、支払い先からしてみればもらえるお金が1.5%分少なくなってしまうため、金額が大きい場合は同意を得ることが難しいかもしれません。(決算が赤字であった場合は還付申請をしないと戻ってこないお金となってしまいますし…)
同意が得られない場合は源泉徴収票を再発行して1.5%分を追加で支払い、翌月に1.5%を申告する必要があります。
他にも、「請求書には3%の源泉税率が記載されているが1.5%の源泉税を差引いて支払いたい。その場合は請求書を再発行してもらう必要があるか?」 という質問もよく頂きました。
上記の場合、請求書に記載されている源泉税額は実際の申告額と異なりますが、支払い先に請求書を再発行してもらわなくても会計、税務上問題はありません。理由としては、源泉税は付加価値税と違い源泉徴収票に基づいて申告をするため、請求書にも領収書にも源泉税率の記載は必須ではないためです。(請求書に正しい率をメモ書きする必要はあります、あとで分からなくなってしまうので…)
請求書に記載されている金額と出金額が合っていないと社内的に問題があるのであれば支払い先に頼んで請求書を再発行、もしくは率の訂正+サインをしてもらいましょう。
最後に、2020年10月の源泉税率変更の際の注意点を1つ挙げます。(繰り返しになりますが2020年10月より源泉税率が2%もしくは3%に変更されます)
次回の税率変更時に4月と同じような混乱が生じ、10月の請求書の源泉税率が1.5%のままだったとします。
もし支払いから1.5%を差引いてしまった場合は4-9月間とは状況が異なり、差引き額、納付額を修正する必要があります。
なぜなら修正をしない場合は本来の税額より少ない額を納付することになり、そんなことを税務署が許すはずがないからです。
なので10月の支払い時には注意しましょう。
長くなりましたが以上が今回のブログとなります。