前回まで、タイ進出に際しまして、外資規制、BOI制度及びEEC(東部経済回廊)についてご案内をさせていただいたが、
BOIという制度を活用し、その投資エリアとしてEECを指定するという政策、それは、「タイランド4.0」という国家ビジョンに基づくものとなる。
では、タイランド4.0とは何であろうか?
それは、20か年国家戦略に基づく、20年後には先進国入りを目指す野心的なビジョンである。
イノベーション、生産性、サービス貿易をキーワードとし、付加価値を持続的に創造する経済社会を目指すものである。
タイ政府は、このタイランド4.0のビジョンに基づき、下記産業を求め、育成していきたいと考えている。
第一次段階として、①電気自動車などの次世代の自動車、②スマートエレクトロニクス、③メディカルセンターなどを創設した上での医療・健康ツーリズム、
④農業・バイオテクノロジー、⑤未来食品 が掲げられ、
第二次段階として、⑥工場のオートメーション化を中心としたロボット産業、⑦航空・ロジスティック、⑧バイオ燃料・バイオ化学、
⑨デジタル産業として、アリババが進めるスマートシティハブ構想、日系企業によるビックデーターなどの解析・分析を行うデーターセンターの創設など、
⑩医療ハブ の計10産業である。
長期的なビジョンとなるが、①~⑤の産業の競争力を強化しながら、⑥~⑩の未来産業を育成していく計画である。