タイ政府は医療用大麻の効果を国会内で議論し、多くの薬用効果が見られるとして、2019年に医療用大麻の使用を解禁しました。2021年2月より、カンナビス及びヘンプの葉・茎・幹・根が第五種麻薬指定リストから除外され、医療、医薬品、健康食品及び化粧品等の商業利用やタイ当局に申請・許可を受けた方の医療目的の栽培等が可能になりました。
これを受け、多くのタイの投資家、事業家の関心を集め、タイ当局への申請が始まりました。
許可を得た個人、農家グループや、企業が産業用大麻栽培する方向になりました。
この流れを受け、タイ政府製薬公社(GPO: Government Pharmaceutical Organization)は大麻の苗をオランダより入れ、GPO所有の土地での栽培。そして、医薬品への精製を開始しました。登録企業へ苗を渡し、花の買取の流れを作りました。現在10社程度との取引が開始されています。花以外の部分は、健康食品及び化粧品として製造販売が可能です。
さらに、タイ政府は2022年6月9日より家庭栽培を解禁しました。栽培申請を保健省食品医薬品局(F D A)にアプリで登録可能で、この登録のみで、大麻の栽培ができ、解禁になった日の朝だけで、登録のためのアプリが5万回以上ダウンロードされ、15万人以上が登録を済ませました。
これにより多くの大麻関連商品が巷に多く流通し始めました。現在では、セブンイレブンなどのコンビニエンスストア内でも、大麻入りの食べ物やドリンクが多くの企業から販売されており、より身近になりました。また、大麻を使用したタイローカルフード、タイ麺類などのお店が出始めるなど、大麻がタイの新しい経済作物へとなりつつあります。また、内需への効果だけに留まらず、アジアで初めての解禁国として、“Cannabis Hub of Asia”を掲げて、100,000平方メートルの土地に大規模なオートマチックな栽培施設を投資、オランダなどの大麻栽培先進国の技術(栽培、育種、抽出など)を取り入れ、栽培しています。日本や韓国などの市場を目指し、外需に対応出来るような施設も出来始めました。
近い将来、大麻栽培がタイ経済に好影響を与えることが期待されております。