今回は、タイの猫についてのお話です。
最近はたまに日本へ帰っても、道端で野良猫を見かけることは少なくなりましたが、タイでは一歩外に出ればすぐ猫が目に入ります(たまに犬も)。
猫好きとしてはうれしい限りで、タイの人たちも猫や犬に優しいという印象があります。
マンションの入り口に佇む守衛さんの足元で気持ちよさそうに寝そべっていたり、屋台のそばに陣取ってお客さんからおこぼれをもらったり、という光景もよく目にします。
同じく猫好きの友人からは果物屋さんで売り物のバナナを枕に熟睡する猫の写真が送られてきたこともありました。
また、日本のような猫カフェも多く存在しています。
タイで見かける猫の中にはとても個性的な柄や色のものもいて、顔だちも日本の猫とは若干異なるような気がします。
では、タイを原産とする猫にはどのような種類があるのでしょうか。
タイにはその昔、20種類を超えるタイ原産種の猫がいたそうですが、現在残っているのはその内のわずか5種類ほどと言われています。
その5種類とは・・・
①サイアミーズ
②カオマニー
③ゴーンジャ(ゴンジャ)
④スパラック
⑤コラート
①のサイアミーズは日本でいうところの「シャム猫」のこと。
日本人にとって5種類の中では1番有名な猫かもしれません。
かつてタイの国王が外国への贈り物としたこともあったそうで、美しい青い瞳と茶色のポイント柄が特徴です。
②のカオマニーはタイ語で「白い宝石」という意味。
その名の通り、真っ白な毛を持ち、瞳は青と金色のオッドアイ(どちらか単色の場合もあり)です。
こちらの猫もタイ王家とのかかわりが深く、長い間タイ王家でのみ飼育がされており、販売や海外への持ち出しも禁止されていたとか。
現在では外国でも繁殖が行われており、日本でも人気があるようです。
③のゴーンジャは真っ黒な毛に金の瞳を持つ猫ですが、筆者はタイに来るまでこの猫のことを全く知りませんでした。
実際に目にしたのも、知り合いのお宅にお邪魔した時、そちらで飼っているゴーンジャを見せていただいた1度のみ。
その顔は尖っており、足はライオンのようだと形容されています。
艶やかな黒の毛並みに堂々とした姿はなんだか威厳があり、もう一度会ってみたいと思わせる風貌でした。
④のスパラックはバーミーズの原型と言われており、大変歴史の古い猫ですが、現在ではその数が非常に少なく希少な猫となっているそうです。
茶色と言うには少し変わった毛の色で、タイでは銅色と表現されているようです。
⑤のコラートは青みがかったグレーの毛並みにハート形の顔、緑または琥珀色の瞳の猫です。
タイではスィー・サワートという別名でも知られており、「幸運を呼ぶ猫」とも言われ、結婚式の贈り物にされることもあるんだとか。
尚、サムットソンクラーム県にはこれらのタイ原種猫の保護施設があるそう。
いつか是非訪れてみたいと思っています。
ところで筆者の家にはコラートが2匹います。
2匹ともコラート専門のブリーダーの方から譲り受けたのですが、遊び好きで食いしん坊、甘えたがりな性格です。
放っておかれることが好きではなく、何かとその存在をアピールしてきます。
社内でのウェブ会議中にも画面に映り込んだり堂々と筆者の前を横切ったりして同僚の笑いを誘うこともしばしば。
道端で猫を見かけるたびに目を細め、のんびりとくつろぐその姿に頬の緩む筆者ですが、それでも心のどこかで「やっぱり我が家の猫が一番かわいい」と思ってしまうのは飼い主の欲目でしょうか。