今回は、タイ当地における駐在員事務所についてご案内させていただきます。
◆駐在事務所の業務として認められるもの:
(1) 本社向けの製品ソース、またはサービスソースの提供
(2) 本社がタイから購入する製品の品質管理・数量管理
(3) 本社からタイ国内の代理店、また消費者に販売される製品に関するアドバイスの提供
(4) タイでまだどの会社も製造・販売していない本社新製品・サービスの情報を提供する
(5) 本社に対するタイ国内での貴社業界動向報告活動
◆駐在員事務所の一般特性:
(1) 業務による収入がない
(2) 製品の発注を受け取ったり売り込みを行う等、営業活動一般は行えない
(3) 全ての経費入金は本社からの送金によるものとする
(4) 法人税の対象とならない。ただし、本社から送金された経費に対する銀行利息に関してのみ税金の対象となる。
◆駐在員事務所法人番号取得のための必要書類リスト(基本的に全て英語にて必要となります):
(1) 本社名、資本金額、会社目的、住所、株主、取締役等本社詳細が記載された宣誓供述書
(2) タイでのオペレーションのために任命されたタイ駐在員事務所所長となる方への委任状
*(1)を作成するためには本社登記簿謄本(本社名・本社住所・資本金額・株数・会社目的・取締役名・代表取締役名・会社登記日・会社登記番号がわかるもの)と
株主リスト(全株主名・株主国籍・持ち株数・持ち株比率がわかるもの)の英訳を頂くのが一番早いかと思われます。
また、(2)のためにはタイ駐在員事務所所長となる方のパスポートコピーが必要となります。
尚、作成後の書類は本社のある国にて公証人・外務省・タイ大使館の認証をそれぞれ取っていただきます。
(3) タイでの駐在員事務所地図コピー
(4) 駐在員事務所所長のパスポートコピー、もしくはIDカードコピー
(5) 駐在員事務所所長のタイでの住民票、もしくはタイでの在籍証明書、またはタイへの一時入国を認められている証拠(タイへの入国スタンプのページ)
(6) 上記(1)宣誓供述書にご署名をされる方(代表取締役)のパスポートコピー
(7) 駐在員事務所のオフィス賃貸契約書コピー(英語版とタイ語版)
* 上記(3)~(7)は全て駐在員事務所長となる方のご署名を頂きます。
◆必要情報:
(1) 駐在員事務所にて行う業務。1ページ目に記載されている業務の中からお選びください(1つ以上の選択も可)
(2) 駐在員事務所の会計年度
(3) 駐在員事務所名のタイ語表記
(4) 計画上の駐在員事務所運営期間
◆注意:駐在員事務所で実施できない業務:
(1) 本社、関連会社に代わっての製品発注・支払い、また購買に関わるような業務
(2) 本社、関連会社への購入製品の輸送業務
(3) 本社、関連会社以外への製品の品質管理・数量管理
(4) 据付やメンテナンスに関わるアフターサービスの提供
(5) 本社、関連会社以外からの製品に関するアドバイス提供
(6) 本社、関連会社に代わっての発注やサービスの受託
(7) 本社、関連会社に代わっての購買や営業業務
(8) 過去にタイで販売された製品、またはタイで提供されたサービスに関しての情報の提供
(9) タイ国内顧客と本社(または関連会社)の間にはいる仲買人・エージェントのような業務
(10) 本社、または関連会社に代わっての他の業務機関との計画や調整
(11) 本社、または関連会社に代わっての契約を結ぶ代理人となること
(12) 本社、また関連会社以外の業者への情報報告活動
◆ビザ・ワークパーミット関連
駐在員事務所における外国人枠は最大2名で、ビザ及び労働許可証取得が可能となります。
ビザ及び労働許可証取得する外国人1名に対し、タイ人1名の雇用が要件となります。
ビザ及び労働許可証については1年更新となり、労働許可証に関しては、1年後の更新の際は1年か2年の選択が可能です。
タイ国家警察庁の通達で、日本人の月額給与は5万バーツ(約175,000円 ※1バーツ3.5円計算)以上となっており、
係る個人所得税申告・納税義務が生じます。
また、駐在員事務所所長以外は社会保険の加入義務がございます。
◆資本金
最低200万バーツ(約700万円)
現在の外国事業ライセンスが発行されなくなった新しいタイプの駐在員事務所(商務省IDのみ発行)では、『資本金』はありません。
ただ、外国人事業法において、外国人がタイで事業を行うにあたり200万バーツ以上の資本金が必要とされている事から、
本社から運転資金を送金してもらう際には、200万バーツまでは『資本金』として、外貨で送金してもらうようにお伝えさせていただいております。
一方で、駐在員事務所の外国人がBビザ手続きをする際に、日本人1名に付き75万バーツ以上/年が、運転資金として外貨で着金した
クレジットアドバイスが入国管理局から求められます。送金の際の名目に付きましては、入国管理局は『資本金』を推奨していますが、
『Expense』で発行されたクレジットアドバイスを指摘された事は、現時点までございません。
しかしながら、外貨での着金は要件となります。