会社の就業規則「傷病休暇」という項目に

「危険に遭遇し業務遂行ができない、または業務遂行に起因し発生した傷病の場合は傷病休暇とは見なさず、当該の従業員は上述の期間内の通常勤務日の賃金を受け取る権利を有さない。但し、労働災害補償法に基づく補償金を受け取る権利を有す。」

と記載されていることかと思います。今日はこの項目について解説いたします。

例えば仕事中に全治2週間の怪我をし、仕事を10営業日休んで自宅で安静にしなければならない場合、

病気休暇とみなさないので、会社は10日間分の給料を支払いません。

その代わり、従業員は社会保険の方から(日割り計算で)10日分の70%の金額を受給することが出来ます。

ただし、タイの社会保険からの手当ては上限の給料が15,000バーツと規定されています。

例えば50,000バーツの月給をもらっている従業員が10日休む場合でも、社会保険の手当は月給15,000バーツにて計算します。

15,000B÷30日=500B/日 ⇒ 500B×10日=5,000B 5,000B×70%=3,500B となり、社会保険から10日分の給与補償として3,500バーツが支給されます。

もしも従業員が「給料が減ってしまうのは困るため、10日間休んだ分をシックリーブ扱いとしてほしい。」と言ってきた場合、会社が上記の事情を汲み取り従業員をサポートしてあげたいということであれば、休んだ10日間をシックリーブ扱いとさせてあげることも可能です。

その場合、シックリーブは有給ですので、従業員は会社から100%の給料と、社会保険から休んだ日数の給料の70%(3,500B)を貰うことが出来ます。

終業規則には「傷病休暇とは見なさず」と記載されてありますが、従業員にとってベネフィットになるため、会社はシックリーブ扱いにしてあげることが可能というわけです。