タイ人スタッフ寄稿第3弾です!

タイではピー(幽霊、お化け、妖怪、精霊)を信じている人が多くいます。(ちなみに、年上の人を呼ぶときのピーの音と違いますので、間違えても逆にしないようにご注意くださいね)ピーは、私たちの人生に悲しみや不幸を招いたり、富や幸せを呼び寄せます。タイの民間伝承の中で、ピーは、人の行動を制御し善行をなすよう教えを語っています。今回の記事では、タイの新聞、映画、簡単な日常会話などに出てくるピーをご紹介致します。

1. プレート

プレートは、ヤシの木のように背が高いといわれていて、仏教の民間伝承におけるお化けのひとつです。恩知らずで不道徳な人は、プレートの姿で生まれ変わります。欲深く、親不孝をし、嘘つきなので、ピンホールのように口が小さくなり、満足な食事ができずいつも空腹です。来世で生まれ変わり、プレートとして苦しむことが無いように、徳を積むための様々な機会を求めることが好きです。多くの寺院は、人々に善良であるべきと思い出させるために、プレート像を建てています

 

2. クマン・トーン

タイの伝統的衣装を着た男の子の人形のお守りで、幼い精霊が宿っているとされています。クマン・トーンは、2種類あると考えられています。 1種類目は、持ち主に幸運と富をもたらしてくれる良い精霊です。殆どのお店の経営者は、この種類のクマン・トーンを持っています。レストランでは、赤いファンタのボトル、線香、デザートなどと一緒に人形が置かれているのをご覧になったことがあるかと思います。2種類目のクマン・トーンは攻撃的な精霊で、持ち主の敵を攻撃したり、持ち主を悪いことからを守ってくれます

 

3. ピー・バーン、ピー・ルアン

全ての家や建物には、ピー・バーン、ピー・ルアンが宿っていると広く信じられています。不運や彷徨う悪霊の侵入から家や家族を守る親切な精霊です。 家の中で人々が最善の行動を保たせるためという背景がおそらくあり、無礼な態度、罵倒や嘘、盗みなどの不道徳な行為は、家を守る親切な霊を怒らせてしまいます。ピー・バン、ピー・ルアンに食べ物や飲み物をお供えする人もいます。

 

4. ピー・ガスー

ピー・ガスーは永遠に空腹であるという呪いをかけられており、血と肉を求めて、毎晩、外に出かけます。昼間は普通の人として生活していますが、夜になると、体から離れた頭に内蔵がぶら下がり非常に恐ろしい姿になります。妊婦や赤ちゃんを見つけられないと、家畜や排泄物を食べ、外に干してある洗濯物で血まみれの口を拭くといわれています。このような理由で、タイの人は、夜干しをしないようにしています。とある女性が黒魔術を学ぼうとしたが、呪文を間違えたため、頭と体が分離してしまったという説もあります。

 

5.ナーン・タキアン

ナーン・タキアンは、木に宿る精霊や妖精の1種であり、タイの民間伝承では一般的に「ナーンマイ(「木の女」)」として知られています。ナーン・タキアンはタキアンの木に宿る女性です。タキアンの木は神聖なものと考えられています。彼女の魂は、彼女が宿る木を使った人を激怒して呪います。僧侶のみがタキアンの木を切り倒すことができます。その際、僧侶は、まずナーン・タキアンの許可を求める儀式を行わなければなりません。ナーン・タキアンはほとんどが親切な精霊と考えられていますが、適切な敬意が払われないと攻撃的になることもあります