タイで減資をする際の手順についてご説明いたします。
1.株主総会を開催して減資についての特別決議を行う
2.商務省で特別決議の登記
3.減資の通知レターを全債権者へ送付・地方紙で公告
4.商務省で減資の登記
5.株主へ資本金の返金
1.株主総会を開催して減資についての特別決議を行う
減資はタイの民商法典において、株主総会の特別決議を要するとされており、額面価格を減少させる方法と、株式数を減少させる方法があります。(1224条)
例:資本金1千万バーツ(1株当たり1,000バーツ・発行株式数10,000,000株)の会社が5百万バーツの減資
額面価格の減少…資本金5百万バーツ(1株当たり1,000バーツ→500バーツ・発行株式数10,000,000株)
株式数の減少…資本金5百万バーツ(1株当たり1,000バーツ・発行株式数10,000,000株→5,000,000株)
また、資本総額の4分の1を下回る減資はできません。(1225条)
例:資本金1千万バーツの場合、7,500,000バーツ以上の減資はできない(資本金2,500,000バーツ以下の会社にすることは出来ない)
特別決議を要する株主総会となりますので、株主総会開催から14日以上前までに招集通知の地方紙への公告と全株主への通知が必要になります。
2.商務省で特別決議の登記
減資の特別決議は、決議の日から14日以内に登記を要します。(1228条)
3.減資の通知レターを全債権者へ送付・地方紙で公告
全債権者への通知の送付は書留郵便で行います。通知の日から30日間待機し、異議が申し立てられなかった場合、異議がないと見なされます。(1226条)異議が申し立てられた場合、債務を返済するか,保証しない限り減資はできません。(1226条)
4.商務省で減資の登記
債権者からの異議がない場合、商務省で減資の登記を行います。
5.株主へ資本金の返金
遅くとも決算日までに株主へ資本金の返金を行います。
タイでは有償減資・無償減資どちらも可能ですが、財務諸表に利益剰余金(Retained Earning)がある場合は、無償減資を行いますと、利益の配分と見なされ配当金と同率の源泉税が発生しますので注意が必要です。減資を検討の際には、会計士と減資額や有償減資・無償減資どちらにするのか等々を検討する必要があります。