過去のブログで資産、負債、純資産と説明しましたので今回は「収益」と「費用」について書かせて頂きます。
ではまず収益から。
収益の定義は以下の2つの条件を満たすものになります。
-
- 資産の増加もしくは負債の減少
- 純資産の増加(出資金を除く)
Conceptual Framework, para. 4.68
過去のブログでも説明しましたが、資産 - 負債 = 純資産
となりますので純資産の増加には同額分の資産の増加もしくは負債の減少が伴います。
発生主義において、収益の認識は純資産の増加と同じタイミングとなります。
それでは2つの例をみてみましょう。(簡素化するため源泉税、付加価値税はゼロとします)
- サービスを提供し、1,000バーツを後に受領
Dr Cr | |||
Account receivable | 1,000 | ||
Service revenue | 1,000 | ||
サービスは既に提供しているがまだ支払いを受けていない場合、売掛金(Account receivable)が認識されます。売掛金は資産となりますので上記の場合、資産と純資産が1,000バーツずつ増えます。1と2の条件を満たしていますので同額分の収益が認識されます。
- まだ提供していないサービスに対して1,000バーツを前受
Dr Cr | |||
Cash/Bank | 1,000 | ||
Unearned revenue | 1,000 |
上記の例はサービスはまだ提供していないが料金は既に受領しているケースになります。支払先は将来、支払元にサービスを提供する義務があるため負債として前受収益(Unearned revenue)が認識されます。よって資産、負債ともに1,000バーツずつ増え、純資産の増加はありません。2の条件を満たせていないためこの時点では収益は認識されません。
- サービスを提供(2.1の続き)
Dr Cr | |||
Unearned revenue | 1,000 | ||
Service revenue | 1,000 |
サービスの提供に伴い、例2.1の前受収益(Unearned revenue)が無くなり、負債のみが1,000バーツ減ります。純資産は同額増えることになりますので1,2の条件を満たし1,000バーツの収益が認識されます。
さて、次に費用についてですが、簡単に言えば収益の逆です。(なので簡単に説明します)
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- 資産の減少もしくは負債の増加
- 純資産の減少(配当金を除く)
以上2つの条件を満たすものが費用となります。
Conceptual Framework, para. 4.69
それでは最後に費用の認識の例を挙げさせて頂きます。
- 1,000バーツ相当のサービスを受けたが支払いは後(源泉税、付加価値税なし)
Dr Cr | |||
Service expense | 1,000 | ||
Accrued expense | 1,000 |
未払い費用(Accrued expense)が認識され負債が1,000バーツ増えます。純資産は同額減るので1,2の条件を満たし費用(Service expense)が認識されます。
以上が収益と費用についての簡単な説明となります。