タイではこの5月から公共の場でのマスク着用が義務化された。

これまでもデパートやスーパーマーケット、レストラン等の店舗に入る際やBTSなどの公共交通機関を利用する際にはマスクの着用が求められていたが、今回の措置は違反者に罰金を科すなど規制がより厳しくなったと言える。

昨年、マスク着用が求められ始めた当初は一気に品薄状態となり、ドラッグストアなどを何店舗も回った記憶がある。

また、地方都市で使用済みのマスクを洗濯して再包装し、販売していたという事例もあった。

当時はやけに本格的な防毒マスクのようなマスクを着用している人や、バンダナのような布をマスク代わりに口周りに巻いている人なども見かけたが、マスクの供給が安定してくるうちに見かけなくなった。

マスクの供給が安定すると、段々と不織布製、ポリウレタン製、布(綿)製、シルク製などマスクもバラエティに富んできた

着ている洋服と同じ生地で作られたマスクをマネキンが着用していたり、「マスクの着用」が生活の一部になり始めていると感じたのもこの頃。

そしてすっかりマスク着用が生活様式となってからは、マスク用の付属品を目にするようになった。

マスクを外した時に首に下げておけるストラップや、マスクの形が崩れたり汗・化粧の付着を防ぐ為の立体インナー、また最近では道端で新製品の試供品としてマスクに垂らして使用する小さなボトル入りのミント液を配っていた。

一つ受け取ってマスクに一滴垂らしてみると、暑いタイで蒸れがちなマスクの中が一気に爽やかになった。

新型コロナウィルス感染症がある程度収まってからも、当分の間はマスクの手放せない状況が続くだろうという話も耳にするが、マスクを取り巻く市場や環境はどうなっていくだろうか。

事態の一刻も早い終息を願うと共に、次々と生み出されるニュービジネスの行方にもひそかに注目している。