パソコンの中が散らかって来たので、必要の無さそうなものをどんどん削除する作業を合間合間に少しづつ実行中です。そんな中、2018年にインパクトチャレンジホールで開かれたAsia Digital Society Forum In Bangkokに行った際のレポートが出てきました。最初は行きたくないほど興味が無かったんですが、スピーカーの中にバンコクにあるサシン大学日本センター所長・藤岡先生の講演のスケジュールがあったので、気分は一転、楽しみにして行ったのを覚えています。

藤岡先生にはその前の年、幣グループが日本の大学生を短期インターンとして受け入れた際に、幣M&Aアドバイザリーの社長が卒業生だからというコネクションを活かして、特別に学生たちとお話をさせていただく機会をいただいたときに、引率(先生かw)としておまけで付いて行ってから、ひそかにファンですw。その藤岡先生の講演が聞けるということでインパクトまでバイクで行きました。(藤岡先生に関してはググってみてくださいね

このセミナーの全体的なテーマも興味を引かれました。Digital Society、決して詳しいわけでも勉強しているわけでもないんですが(いつかはちゃんと勉強しなければと思っています)、IoT、AI、ビックデータ、デジタル技術の進歩などのキーワードが並ぶセミナーの注目度は高かったのか、タイ人の参加者もかなり多かったです。当時の在タイ日本大使館・佐渡島特命全権大使が開会のあいさつの中で、「タイ人の日本旅行におけるリピート率は70%」「SNSを通じての口コミやFB上などタイ人が多く利用するSNS上でのマーケティングの影響の大きさ」をおっしゃっていましたが、確かにコロナ前のタイ人は日本に行くことが1つのステータスのようになっていましたし、1度行った人はそれほど間を置かずに、再度日本へ行っていた印象です。FB上でもこぞって日本旅行の写真を上げていて、10年以上日本に帰っていない私(面倒なんですw)は、SNSに上がってくるタイ人友人の日本旅行画像でその当時の日本を知る感じでした。その当時で既にデジタルテクノロジーの進歩と「拡散の速さ」「与える影響の大きさ、強さ」を感じました。

次に登壇された当時のタイ・デジタル経済社会省ピチェット大臣のお話では、タイにおけるデジタライジングの進歩として、①75,000のムーバーン(村・地域)へのフリーWifiスポットの設置(2018年当時で75%達成、今は既に100%なんでしょうね)②全ての学校、病院に高速インターネットと配置(これはどこの病院に行っても無料Wifiがありますもんね今は)③デジタルガバメント(e-Government)への取り組みという3点がとても興味深かったのを覚えています。特に③デジタルガバメントですが、現在着々と進んでいるのを感じます。税務署もオンライン化が進んでいますし、DBDもほとんどの申請、登記簿取得等がオンラインになりましたね。陸運局もデジタル免許証(携帯アプリ上に自分の免許証情報が保存できます)も登場しています。これで、『イミグレ』もオンライン化してくれたら良いんですけど、それはまだだいぶ先なんでしょうね。せっかく税務署やDBDがデジタル化されても、イミグレに提出するのに印刷物でそろえなければならないのが勿体ないですね。思い切ってイミグレもオンライン化できるところはしてしまってもいいと思います。

そして、その後に登壇された藤岡先生のお話は「グローバリゼーション」において①トレードコスト②コミュニケーションコスト③Face to Faceコストをいかに下げていくかがポイントだというお話でした。デジタル技術の進歩が特に③Face to Faceコストー売る側&買う側の2者間が実際に合って顔を合わせて取引等をする際に発生するコストーを下げるのに活躍しているということでした。実際に現地に足を運び、時には海外へ赴き、通訳などを介しながらもやっていたことがデジタル技術の進歩によって係るコストを下げることに成功している。これはみなさん、この度のコロナ禍のリモートワーク等で実感されたことと思います。セミナーが開かれた当時は、コロナのコの字もまだ出てきてはいませんでしたが、今こうしてコロナ禍に居て思うことは、デジタルの進歩が正にFace to Faceコストをほぼ失くすことに成功しているのではないかということです。また、その当時はまだあまり馴染みのない単語であったフィンテック電子決算についてもお話されていて、今もそうですが特に電子決算の分野ではタイや中国は日本より進んでいます。法整備などの関係でどうしても導入までに時間がかかってしまう日本に比べ、比較的導入しやすい後進国であるタイでの導入・改善などを経て日本への導入が検討されるという面もあるかもしれません。

また、藤岡先生も「デジタルテクノロジーの進歩」と「変化のスピードの速さ」をポイントにあげていらっしゃいました。

2018年当時ですが

  • Airpayは1年で他の銀行50年間分の取引量を超えた
  • Air BNBはヒルトンホテルが90年かけて増やした部屋数を4年で超えた
  • UberとGrabは1台も車を所有することなく最大のタクシー会社になった

予期せぬところから、予期せぬプレーヤーが現れる」こともデジタル化、デジタライゼーションの面白いところだとおっしゃっていた藤岡先生は最後に

                  「繋がり続け、シェアし続けること」がこれからの世界では大切であり

                  「人のためのデジタライゼーション・ProfitよりもPurposeを大切にしていくこと」が

                  成功へとつながるとおっしゃっていたのを覚えています。

あのセミナーから3年、世の中がコロナのせいで意図しない方向へ散らばったイメージがしていますが、それでもデジタルテクノロジーの進歩に助けられたと実感しますし、様々な分野、場面で変化があり、またそのスピード感は物凄い速さだと感じます。今後もこの変化はスピードを増し、我々が想像できないほどの速さで様々な変化をして行くのだと思います。AIも変化といより進化が目まぐるしく、また量子コンピュータも登場しました。これからどんどんデジタルテクノロジーが生活の中に入ってくるのだろうと思います。

数年前から、今、人がやっているいくつかの(または多くの)仕事はAIにとって代わられる日が来る、「奪われる」ことになると言われていました。いくつかの仕事はそうでしょう。AIやテクノロジーによる自動化にとって代わられることになるでしょう。でも、「奪われることになるのは人が何も考えていない場合に起こる予想される結果の1つであると、前に読んだ本に書かれていました。人のためのデジタライゼーションを目指す限りは「奪われる」ことにはならないと思います。

その本に書いてあり、今も覚えていることの1つは

                  「AIをIAに変える」 という言葉です

                  Intelligent Assistanceインテリジェントアシスタンス 知的支援

                  Intelligent Assistant インテリジェントアシスタント 知的補佐

                  Intelligent Algorithm インテリジェントアルゴリズム 知的なアルゴリズム

手をこまねいてデジタライゼーションやAIにとって代わられるのをただ見ているのではなく知的支援-AIを利用して高度なオンラインおよびモバイルプラットフォームを開発し、労働者が自分の時間を使って更に知識を高めるための生涯学習に専念できる環境を可能にし、なおかつその学習が認められて昇給や昇進に結びつくようにし、知的補佐-AIを利用して人間とツールやソフトウェアのインターフェース(繋がり)を改善し、人間が速く学習できるようにするだけでなく、行動も速く、より懸命になるように。そして、AIを駆使して、もっと知的なアルゴリズム(問題解決や物事を行う上での手段・方法)を創出していくことが大切かと思います。

なんてことを3年前に考えて、そして今またコロナ禍を通して考えてみると、3年前にはピンとこなかったことも、今は興味の対象になってきました