タイでは連日、全国で数千人規模のCOVID-19の感染者が確認されています。
政府の要請に従って在宅勤務体制をとっている企業も数多くあると思いますが、もし社内でCOVID-19の感染者が出た場合、どのような対応が求められるのでしょうか。
まず、タイの保健省は今年の1月に以下のガイドラインを発表しています。
1)COVID-19の感染者が確認された場合には、3時間以内にタイ保健省疾病管理局(Department of Disease Control)に報告すること
2)感染者との濃厚接触者であり、自覚症状の無い者はPCR検査を受けた上で、自宅での2週間の自己隔離
3)感染者との濃厚接触者では無く、自覚症状の無い者は2週間、自己監視(Self-monitoring)を行い、当該期間中に何らかの症状が現れた場合には速やかに医療機関で検査を受けること
また、保健局(Public Health Office)に確認をしたところ、以下の回答がありました。
1.PCR検査の対象者及び検査後の隔離について
まず、社内で感染者が出た場合には保健局の職員が出向き、従業員全員がPCR検査を受ける必要があるか、または当該感染者と濃厚接触があったとされる者のみ検査を受けるべきかについて勤務体系や社内の勤務環境が「高リスク」の状態に該当するかといった点等を含めて判断するとのことです。
また、PCR検査の結果が陰性であった場合でも、状況によって14日間の自宅待機期間を設ける場合があり、各ケース毎の判断になるようです。
2.感染者が出た後の会社の閉鎖期間について
社内で感染者が出た後、消毒等の為に会社が一旦閉鎖されることになりますが、この閉鎖期間について、その日数は規定されておらず、保健局より出向いた職員の状況判断によって期間が決められるとのことです。
3.会社閉鎖中の給与の支払いについて
保健局など当局よりCOVID-19の感染拡大を防ぐ為に一時閉鎖の命令が出された場合(=不可抗力)には、この閉鎖期間中に会社は従業員に給与の支払いをする必要はないとのことです。
このような場合には社会保険事務所(SSO)より15,000バーツを上限として、最大90日間、日給額の50%が支払われることになります。
しかし、当局からの指示では無く会社の判断によってCOVID-19の感染拡大を防ぐ目的で会社を一時的に閉鎖する場合には、この期間中、会社は従業員に対して100%の給与支払いをする必要があります。
尚、保健省が定めるガイドラインを大枠としつつ、各地域の保健局ごとに別途規定を設けている可能性がありますので、感染者が出た場合に備えて自身の会社の管轄保険局に前もって対応について確認しておくのも良いでしょう。