私たちの身の回りには、電波を利用した機器が沢山あります。
皆様はどのような機器が電波を利用しているかご存じですか?
おそらく真っ先に挙がるのが、もはや手放しては生活出来ないほど浸透したスマートフォンでしょう。
スマートフォン一台でも、複数の電波を扱っております。例を挙げると…
・通信事業者回線(通話、インターネット接続)
・Wi-Fi(無線ネットワーク接続)
・Bluetooth通信(スマートウォッチ、無線スピーカー、カーナビ等と接続)
・GPS信号(現在の所在地を確認)
・NFC通信(電子マネー決済等)
・赤外線通信(家庭用電子機器のリモコンとして等)
電波とは言葉通り波でありエネルギーの振動を意味します。振動は周波数という言葉で表現され、Hz(ヘルツ)と表記されます。Hzは一秒間辺りの振動周期を表します。例えば60Hzといえば秒間60回の振動が発生していることになります。この振動の周期と波長(波の長さ)を複雑に発生させることにより意味のある信号を空間に生み出します。
電波は電磁波に分類され、周波数が300万MHz以下のものが電波と既定されております。
また、放射線や光も電磁波に分類されます。
電波と同じように波として表現されるものの中に音波があります。音波も波(=振動)の一種であるため波の周期には同様に周波数を用いますが大きな違いは、エネルギーを伝達するための物理現象が異なります。音波は空気の分子を振動させることで我々人間が耳で知覚可能な音声として認識可能ですが、電波は電界(電圧がかかっている空間)と磁界(磁気がかかっている空間)の作用によりエネルギーを伝達します。
そのため電波は知覚することができません。
ただ、皆さんも幼いころ電磁石の実験をされた方も多いかと思います。釘等の鉄の棒に電線を巻き電池で電力を供給すると巻き線の両端から磁束が発生しますので、砂鉄を近づけると磁力で波紋が現れます。この方法により電磁波(=電波)の仕組みを身近に感じることが可能です。
音波は空気の分子の振動が必要なため空気のない真空状態(宇宙空間等)では伝達できません。しかしながら電波(電磁波)は空気の影響を受けないため宇宙空間でも伝達可能です。遠い距離が離れた宇宙から届けられる地球や宇宙の情報も電波のおかげで手に入れることができるのです。
簡単ではありますが、電波とはどいうったものかご理解いただけましたでしょうか?