現在3Dプリンターは、一般家庭で扱えるほど簡単に、また低価格化(6000バーツくらいから)が進み趣味や日用品修繕・制作などの分野で非常に重宝されております。
近年家庭(個人用途)で普及してきた3Dプリントの背景には次の需要があったと考えられます。
– アイデアや想像したものを形作りたい(今までは実現するための簡単な手段がなかった)
– 既製品に該当する部品がない
– 既製品では不便な部分を改善したものがほしい
– 自分だけのオリジナルアイテムがほしい
3Dプリントの歴史を辿ると、着想は30年前の日本に遡るようです。その当時から2000年代にはいるまでは工業製品の試作等が主な用途でした。
しばらくは特許の絡みがあり、かつ装置が非常に高価なため、一般家庭で扱えるようなものではありませんでした。
ところがここ5,6年程で低価格化が進み個人や一般家庭に浸透しはじめてきております。
それでは家庭で扱うことのできる3Dプリンターの種類ですが下記の2種類が一般的です。
1. 熱溶解積層方式3Dプリンター
2. 光造形方式3Dプリンター
それぞれの特徴は次の通りです。
1. 熱溶解積層方式3Dプリンター
– ものを形作る材料は、フィラメント型の樹脂(ボビンに巻きつけた糸のイメージ)
– フィラメントを熱で溶かて細いノズルから押し出し何層にも重ねて成形
– 材料が安価(1kg 400バーツくらいから)
– 材料が固形であるため扱いが容易
– 造形中はモーターの動作音が気になる
– 造形物の表面にうっすら積層痕が残る
– プリンタ本体のサイズに対して比較的大きなものが造形できる
2. 光造形方式3Dプリンター
– ものを形作る材料は、液状の樹脂(硬化する接着剤のイメージ)
– 紫外線を液晶プロジェクタ越しに照射し樹脂を硬化させ何層にも重ねて成形
– 材料が高価(500ml 800バーツくらいから)
– 材料が液体であるため扱いに注意が必要
– 造形中は揺動する部分が殆どないため静か
– 造形物表面の仕上がりが綺麗
– プリンタ本体のサイズに対して造形できるものは小さめ
3Dプリンターに共通する弱点ですが、それはものを造形するのに非常に時間が掛かるということです。
ただしこの弱点ですが、プリント中は手を触れる必要がなく一所懸命にプリンターが動作しているところを見るとむしろこちらも何か頑張ろうかなという気さえ起きます。
続いて共通した利点についてですが、今までの工作では木材やその他材料の端材や切りくずが出てしまいますが3Dプリントにおいて材料は必要な分しか使用しないため資源を無駄にしませんし、プリント後の清掃や後片付けも簡単です。
加えて副次的な利点ですが、3Dプリントするには造形物をコンピューターで設計する必要がありますが、この過程で使用する設計ソフトウェア(無料で使えるものも沢山あります)の扱い方を学習することができます。
また家庭で3Dプリントできるということは3次元の物体をコンピューターで設計し実際に物理的な物体を造形するまでの経験を積む環境があるということに他なりません。
最後になりますが、想像したものが3Dプリンターで自動的に形作られていく感動は是非とも経験頂きたいと思います。また子供の知育という点においても大変優れた教材であると考えます。