巷でよく耳にする”5G“という言葉ですが、なんとなく理解しているが実際どういうものなのか明確でないという方向けに要点をご紹介します。

まず、5Gという言葉ですが、第5世代(5th Generation)という意味の略語になります。
一般的に英語圏では”Fifth-generation of mobile networks”、日本では”第5世代移動通信システム”という意味で使われております。身近なところでは携帯電話から、さらには遠隔医療用途等、より広い分野で利用される無線通信の規格を指します。


5Gは、これまでの4G(LTE)と比較すると下記の3点において性能を向上させた規格となります。

1. 超高速
   通信速度が数十倍から100倍近くまで向上すると言われております。
   8K等の精細な映像信号や複数の監視カメラ映像信号の伝達には非常に大きなデータを転送を要しますが、このようなデータを滞りなく扱うことができるようになります。

2. 超低遅延
   通信の遅延が10分の1まで抑えられることにより通信の信頼性とリアルタイム性が向上します。
   例えば時速100kmで移動する物体の移動量を検知する場合、約30cm間隔から約3cm間隔まで検知の精度を高めることが可能になります。

3. 多数同時接続
   局所的にネットワーク接続過多になると、通信接続が切れたり断続的になったりする弊害が生じますが、同時接続性が10倍近くまで向上することによりこれらの問題が解決され、さらには身の回りの様々な機器と通信できるようになります。


飛躍的に向上する性能を受けて多様な分野での利用が検討されております。
次に代表的な用途を紹介します。

1. 家庭やオフィスにおける固定インターネット接続手段
   従来の有線接続の置き換えとしても充分に対応可能となる、物理的な配線等が節約できるためコスト削減にも繋がる。

2. バーチャルリアリティ等の没入型インターフェイス
   VRゴーグルやVRグラスを利用した高精細映像を遅延なく体験できることにより、エンターテイメントに留まらず、教育や研修、調査等、より広い分野で活用可能となる。

3. 映像監視や映像分析
   監視カメラやドローンの映像をリアルタイムで処理することが可能となり人工知能との親和性が高まる。

4. 装置のリモート操作
   リモート操作機器の操作をより正確に制御することが可能となるため、危険な場所やアクセスの難しいエリアでの有人作業を低減できるようになる。

5. 自動車運転の快適性向上
   自動車がネットワーク接続されることで、より安全に、また交通状況を瞬時に判断することができるようになる。

6. 遠隔医療
   医療で利用される高精細な映像が遠隔で扱えるようになるため、より正確な医療診断が可能となる。また人工知能との併用により医療人材不足を補うことも可能になる。

7. ロボットや自動制御
   高速通信、低遅延のメリットを生かし制御を外部に構成することが可能になりロボット自体の構成を簡素化することが可能になる。


最後になりますが、5Gは上記のような利点ばかりではなく、多種多様な機器を利用することによるセキュリティ脆弱性発生リスクの上昇、また基地局から送信される電磁波の人体に与える健康被害が懸念されております。今後増々普及が予測されておりますので安全性が改善、確保され、利用者の利便性が向上することを願っております。