プラヤパラッツオホテル プラヤパラッツオホテルはチャオプラヤ川・プラアーティット通りの対岸に面し、およそ100年前に建築されたレトロで美しい旧邸宅です。かつては水路を利用した移動が主流であったため、この邸宅には道路に面した出口がありません。川沿いの家は、ボートをつないでおく桟橋があればどこへでも簡単に移動が出来たのです。ラーマ6世の治世下の1923年頃にパラディオ建築様式を採用し建てられた邸宅には西洋と中国の要素が組み合わされています。
もともとこの邸宅は「バーン・バン・イー・カーン」(バン・イー・カーン邸)と呼ばれ、元の所有者で当時の裕福な中国貴族であった「アマット・エック・プラヤ・チョンラフンファニッチ(アマット・エックは過去の高位の公務員の称号。プラヤは国王によって公務員や貴族に授与された称号)」によって建てられました。
1938年にプラヤ・チョンラフンファニッチが亡くなった後、この邸宅は別の所有者へと移り、ラマ9世の治世初期に「ラーチャカルン学校」となりました。1992年に学校が閉鎖されると、邸宅は放置され、一時は廃墟と化してしまいます。後に、タイの建築家であるウィチャイ・ピタクワララート准教授が、建物の元の外観を維持しつつ新しい状態で復元しました。邸宅には元の所有者への追悼の意を込め「プラヤ・パラッツォ(プラヤの邸宅)」と名前が付けられました。
2009年、プラヤ・パラッツォはホテルとして開業し、2017年には現在の所有者へと移り、さらなる改装が行われ、伝統的なタイの料理とデザートを提供するレストラン「プラヤ・ダイニング」がオープンしました。