タイの硬貨は通貨としての価値だけでなく、硬貨の裏に重要な寺院の姿が刻まれていることによって、歴史の観点からも価値があると言えます。
25サターン硬貨に印されているプラ・ボロムマタート仏塔はワット・プラマハータート・ウォラマハー・ウィハーンのシンボルとしてよく知られています。この寺院はタイ南部のナコーンシータマラート県に位置し、13世紀初頭に建立されたと言われています。プラ・ボロムマタート仏塔の内部には仏舎利が収められています。この仏塔には”影のない仏塔”という素晴らしい別名もあります。これは、この“Phrathat(仏塔)”がどの角度から太陽の光が差しても影が出来ないことに由来しており、このことがこの仏塔をタイにおける“Unseen Thailand(まだ見ぬタイ)”の1つにしています。(Unseen Thailandは旅行者にまだあまり知られていない観光スポットを紹介するタイ政府観光庁のキャンペーン)
50サターン硬貨に描かれているのはチェンマイで最も有名な寺であり、1383年に建立されたワット・プラタート・ドイ・ステープのシンボルである仏塔、プラ・ボロムマタートです。この寺院はランナー建築の様式に従って建設されました。この寺院で最も重要な建造物は、2層の金で覆われた仏塔「プラ・ボロムマタート」であり、この仏塔の基部には仏舎利が収められています。
1バーツ硬貨には、「ワットプラケオ」またはエメラルド仏の寺院と呼ばれるワット・プラシーラッタナサーサダーラームという名前の寺院にある「プラ・シー・ラタナー・チェディ」の図柄が表示されています。この寺院はバンコクにあり、そこにはタイで最も重要な仏像であると広く見なされているエメラルド仏の像があります。この寺院の建設は、チャクリ王朝の最初の王であるラマ1世の指揮の下で1782年に始まりました。
<第2部に続く>