タイの大学進学率は、2021年において49.67%であり、東南アジアで2番目の高さです。(シンガポール97.1%、インドネシア41.0%、マレーシア40.91%、ベトナム38.87%、フィリピン34.89%、カンボジア13.88%、ラオス12.46%、日本55.5%)。

1990年にタイの大学進学率が8.1%であることを考えると、タイ政府がここ数十年において人材の高度化に力を入れていることがわかります。

一方、タイでは格差が大きな問題となっています。
2018年、スイスの金融機関クレ ディ・スイスが発表した統計では、タイは人口の1パーセントが66.9パーセントの富を所有する「世界一不平等な国」「世界一の格差を抱える国」であることが報告されました。

このような所得格差は、当然、教育格差を生み、富める者は自らの子どもにより良い教育を受けさせ、そうでない者はその機会を手に入れることができない状況を生んでいます。

また、タイの経済分布的に、富める者はバンコクなどの都市部に集中していることもあり、地域間格差が他国に比べても大きいことが予想されます。

所得格差は、富裕層と貧困層、首都圏と地方といった様々な分野で格差を生み、階層の固定化を招く要因となっています。

タイ政府がこの問題に対しどう対処するのか、今後の動向が注目されます。