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このBlogのコンテンツでは、お客様からよくあるご質問を中心に皆様に有益な情報を発信していきます。
第一回は【債務超過】についてです。
債務超過とは、累積の損失が資本金を食いつぶし負債の額が資産の額を上回っている状態です。
債務超過の会社のB/S(貸借対照表)は以下のようになります。
特に設立して間もない会社は、事業が思ったように軌道に乗らず赤字を出し、資金繰りの為に親会社から親子ローンにて借入をし食つなぐというパターンをよくみます。
結果として上記のようなB/Sになり債務超過となります。
ここでよくある質問は「タイでは債務超過で問題になる事はないですか?」です。
結論からすると、債務超過により会計基準や税法に引っかかるという事はありません。
債務超過で不都合となる点は、財務状況を理由に金融機関より借入が難しくなる事ぐらいです。
しかし、借入は商業銀行からではなく親会社からの場合がほとんどのため、特に問題になる事はありません。
それでも、【債務超過】というネガティブな名称から、どうにか解消したいとよく相談をうけます。
以下にて解消方法を2つ紹介します。
1.ローンの債務免除
親子ローンの債務が免除されると、同額がその他収益となり財務状況が改善されます。
具体的に、債務免除の前のB/Sの数字が以下だったとします。
親子ローン180のうち、親会社から150の免除を受けたとします。
その場合、B/Sは以下の通りとなります。
免除をうけた親子ローン150が利益となり、累積損失の(130)との差額が留保利益20となります。
債務免除は親会社との取決めだけで実行可能なため比較的容易にできますが、利益が出た部分については法人税の課税対象となる事に注意が必要です。
上記の例でいくと、利益20に法人税20%が課される事になります。
もう一つの注意点は親子ローンから発生する利子も免除を受けた場合、同額も所得扱いになります。
また、利子から発生する源泉税15%もPND54にて申告、納付の必要があります。
2.増資
もう一つの解決方法は増資です。
親会社が100の増資を決定し、タイ子会社へ増資分の払い込みをした場合、B/Sは以下のようになります。
増資分の100の現金が入る事になり資産が増え、資本金も同額が増えて累積損失との合計は20となり資本の部がプラスに転じています。
増資の際の注意は、株主総会を行い増資登記が必要な点です。
外国人事業法により日本側の株主比率を49%に保っている場合、増資をしても株主比率が49%を超えないよう、他の株主からも追加の出資を募る必要があります。
増資では税務に関する事項は特にありません。
以上にて債務超過の解消方法を2つ紹介しました。
ご質問・ご相談は以下までお願い致します。